2022.08.18.Thu

結局安いのはどれ?自動温度記録・管理システム選びのポイント

自動温度記録・管理システムを導入する際、どうしても気になるのがコストです。「厳密で正確な温度記録・管理の必要性は理解しているものの、そこまで費用はかけられない…… 」。今回は、こうしたお悩みをお持ちの方に向けて、自動温度記録・管理システム選びのポイントを、コスト面から解説していきます。

HACCPでも問題になるコスト問題

自動温度管理・記録システムと関わりの深いトピックスのひとつとして、2020年6月から義務化されたHACCPがあります。2018年6月に食品衛生法の改正法案が可決された際に、すべての食品事業者が導入するものとして定められましたが、その普及には時間がかかりました。この理由のひとつがコストです。

 

 

上記は、「令和元年度 食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の導入状況実態調査結果」のなかで示された「HACCPに沿った衛生管理の導入に当たっての問題点・導入が未定の理由」の回答集計です。事業者にとって、設備投資のハードルがいかに高いかということが伺えます。

比較すべきはオンプレミスとクラウド

HACCPに限らず、高額な設備投資は事業者にとって大きな負担です。しかし、温度記録・管理システムについてはいくつもの製品が登場しており、中には比較的リーズナブルに導入できるものも増えてきています。

そこで注目したいのが、オンプレミスとクラウド。温度記録・管理システムをコスト面で考える際には、この2つのうち、どちらを選ぶかが重要になります。

自動温度記録・管理システムの初期費用

システムを導入する際に気になるのが初期費用です。オンプレミスとクラウドを比較しながら見ていきましょう。

コストが高いのはオンプレミス

一般的に、オンプレミスで自動温度記録・管理システムを構築しようとする場合はハード・ソフトの両面でコストがかかります。

具体例として、まずは温度ロガーやゲートウェイ、サーバなどのハードウェアです。金額はそれぞれピンキリですが、精度や使い勝手を考えるのであれば、ある程度の予算を組む必要があります。

次に、温度データを管理するためのソフトウェアです。既製品として販売されているパッケージ版であれば安くなりますが、自社に最適なものをスクラッチで開発しようとすると、かなりコストがかさみます。

そのほか、温度記録・管理システムを組もうとした際に必要となる機器等については、「自動温度管理・記録システムで必要になるハードウェア・ソウトウェア」でご確認ください。

このように、オンプレミス環境を整えようとする場合は、少なくないイニシャルコストがかかるのが通常です。一方、クラウドは初期費用がほとんどかからない、もしくは無料の製品もあります。

温度記録・管理の場合、開発は不要?

一般的に、クラウドシステムはすでに用意されたプラットフォーム(アプリケーション)を利用するため、イニシャルコストを抑えられます。一方、「自由度が低いのでは?」とも言われがちです。しかしこれは基幹システムとの連携が必要など、業界に合わせたカスタマイズが求められるケースでの場合です。

温度記録・管理に限れば、そこまで独自の機能は求められません、データベースも比較的シンプルです。そのため、よほどの事情がない限り開発は不要というケースがほとんどでしょう。なお、突発的により詳細な分析が必要となれば、データをCSVなどでダウンロードしエクセル等で加工すれば問題は解決です。

温度ロガーは無線のほうが高い?安い?

温度記録に欠かせない温度ロガー。無線と有線を比べれば、どうしても高機能と言える前者のほうが単体価格は上がります。そのため、有線タイプを選ぶのが節約のようにも見えますが、一概にはそうとは言えません。

例えば食品工場の場合。有線の温度ロガーを設置するには、ケーブルを這わせる必要があります。そのため、ときには既存設備のレイアウトを変更しなくてはならないケースもあるでしょう。その規模が大きくなればなるほど、人的リソースが奪われます。

また、温度ロガーの設置やレイアウト変更に伴い製造ラインを止めるようなことがあれば、売上にも影響が考えられます。こうした状況だと、有線の温度ロガーのほうがより高い初期費用となる可能性があります。また、有線ロガーの場合は、設置後のレイアウト変更や、冷蔵庫の増設のたびに、ロガーの設置工事が必要で、中長期的にもコストが高まる可能性があります。

一方、無線タイプの温度ロガーは、ケーブルの取り回し不要で、本体を計測場所に設置するだけ。レイアウトに制限をかけることもなく、スムーズに導入でき、導入後の増設も容易です。

自動温度記録・管理システムのランニングコスト

 

次に、オンプレミスとクラウドのランニングコストに関する比較です。

オンプレミスは保守まで含めると費用が割高?

オンプレミス環境でシステムを構築した場合、自社にエンジニアがいなければ、運用保守を開発会社等に依頼する必要があります。この年間平均コストは開発費の15%程度が一般的。つまり、100万円で構築したシステムであれば、初年度の費用は合計で約115万円です。サービスの内容にもよりますが、月額で比較するとクラウドより高額になる可能性があります。

クラウドは運用保守込みの料金なので安い?

クラウドの場合、システムの運用保守はサービス事業者側が担うのが一般的です。また、システム自体のアップデートや改修作業も事業者側が行うため、常に最新のバージョンを意識せずに利用可能。こうした運用保守に関わるコストが月額料金に含まれているのは、大きなメリットです。

システムの陳腐化がなくリプレイスも不要

オンプレミス環境の場合、システム導入から年数が経つと、機器等が古くなり、システムが陳腐化する可能性があります。もしくは故障などが発生し、買い替えが必要になることも考えられるでしょう。こうした事態に陥った際には、自社で費用を負担しなくてはなりません。一方、クラウドであれば、システムの入れ替えの費用は月額料金に折り込み済みなので、突発的な出費もありません。

スタッフの働き方にも好影響

厳密にはランニングコストとは別の話にはなりますが、トータルのコストメリットとして、生産性・売上アップについても考えておきましょう。

クラウド型のほとんどは、「いつでも、どこでも」使えるのがメリットです。出先にいたとしても、拠点の状況をスマホなどで確認できます。結果として、スタッフの働き方改革が促進され、生産性や売上の向上が期待できます。

クラウド型自動温度記録・管理システムならACALA

初期費用やランニングコストを踏まえると、自動温度記録・管理システムはクラウド型にコストメリットが高いことをここまでお伝えしてきました。当社でご提供しているACALAシリーズも、クラウド型の自動温度記録・管理システムです。コストを重視してシステムを選びたいという方には、自信を持っておすすめできるサービスです。

ACALAは長期的な運用でよりリーズナブル!

ACALAは長期的にご利用いただくことで、実は他社よりもコストを抑えられる仕組みを採用しています。

一般的に、クラウド型の自動温度記録・管理システムは、イニシャル費用(機器の購入)とランニング費用(保守サポート・通信料・システム利用料)に分かれます。ACALAの場合は、機器はレンタルという形でご提供するため、初期費用はかかりません。レンタル費用はランニング費用に含まれています。

この際注目したいのが、購入品の保守運用及び保証期間についてです。機器は経年劣化などで数年に一度、買い直しなどが発生する可能性が高くなります。月額料金は安かったとしても、この費用がかさむと、大きな負担にもなり得るでしょう。

一方、ACALAの場合は温度センサの無償交換をご用意しています。買い替えなどのコストは不要ですし、何よりも常に精度が保証された温度センサを利用できる点が大きなメリットです。

まとめ

オンプレミスでしか実現できないという場合を除き、クラウドのほうが多くのメリットを持つのが自動温度記録・管理システムです。クラウドであればイニシャル、ランニング共に費用を抑えた運用が可能となっていますので、当社のACALAを含め、ぜひご検討ください。