WAKANUI GRILL DINING ■TOKYO

ニュージーランド産ビーフ、ラムが味わえる、東京・東麻布のレストラン「ワカヌイ・グリル・ダイニング ■トーキョー(WAKANUI)」。最高品質のビーフや仔羊を、最高の状態に準備するために、ACALAが活躍しています。お客様に本当に美味しいお肉を食べていただくためのこだわりを、WAKANUIを経営するアンズコフーズ株式会社代表取締役社長の金城様に語って頂きました。

―WAKANUI様のこだわり、おもてなしで心がけている点をお聞かせ下さい。

アンズコフーズ株式会社は、1984年に日本初の外資系羊肉専門商社として事業をスタートしました。以来30年、羊肉の取扱量では最大手を誇り、高品質のニュージーランド産ビーフ供給元としても多くのユーザー様にご愛顧いただいております。WAKANUIをオープンしたのは、お客様に当社のお肉を最高の状態で食べていただいて、本当のお肉の美味しさや良さを分かっていただくことが目的です。当店でご提供しているオーシャンビーフは、アンガスという品種を使ってニュージーランドの南島の牧草の豊かなところで育成し、仕上げに穀物を食べさせています。このように牛の品種、血統、環境、育成期間やエサへのこだわりはもちろん、屠畜、真空パック、冷蔵輸送、そして日本に来てからの熟成、備長炭を使った炭火焼でご提供するという一連の流れにすごくこだわっています。WAKANUIをオープンする2年程前には、アメリカで熟成とドライエイジングを売りにしているステーキハウスやその熟成を手掛けている業者さんを見て回り、熟成の方法について色々と学んできました。もちろん、お店の役割は熟成をさせてお料理して召し上がっていただくことだけではなく、内装やメニュー構成、ニュージーランド産ワインの品揃え等、どう演出したらいいかということも重要であると考えています。一番人気のメニューは、オーシャンビーフ骨付きリブアイ1,000gです。表面はカリッと、中はミディアムレア。おいしく焼き上げるために4段階の工程を経て、最終的には備長炭の炭から出る煙で香り付けをしています。これをグループで召し上がる方もいらっしゃいますし、中にはおひとりでお召し上がりになる方もいらっしゃいます。また、仕込みの際カブリ部分をはずしますがこの赤身部分を使って作るハンバーグは100%ビーフで、やはり店で提供している牧草牛フィレ肉の端肉も入っていますので、とても贅沢なものです。こちらはランチ限定メニューですがとても人気があります。

お客様は、週前半は会社の接待、後半はお友達同士やプライベートなグループ、週末はファミリーが多いですね。上場企業のトップが接待でご利用頂くことも多々あります。「熟成肉」もそうですが、今、「肉を食べる」、それも焼肉ではなく本当にがっつり食べることがブームになっていますので、そういったことも当店が選ばれる理由だと思います。

―熟成肉とはどのようなものなのでしょうか?熟成肉について教えて下さい。

お肉の熟成(エイジング)は屠畜した時から始まっています。部位毎に真空パックされて0~1℃に温度管理されたコンテナ船で約3週間かけて冷蔵輸送しますので、店舗到着時には3~4週間程熟成をしていることになります。ここまでがウェットエイジング、そしてパックから外して空気に触れさせてからのことをドライエイジングと呼んでいます。熟成による効果はアミノ酸の分解が進むことによって肉が柔らかくなる点と、それによって肉の旨みが増してくる点、この2つが科学的にも証明されています。最近は熟成肉がブームですが、うちはその走りだったと思います。他店では日本の和牛を使ってそれを熟成したり、アメリカのUSAプライムを買ってきて熟成させたり、酵母を使ってナッティーな香りをつけて熟成をしたりするところが多いようです。我々が他社と根本的に違うのは、熟成だけがすべてではなく、生産工程からの一連の流れの中で、おいしい肉を出すための工程の一部として熟成をとらえていることです。香りをつけるのではなく、貯蔵して熟成させることによっていい菌が増え熟成香、酵母臭が増えてくる。そういった環境づくりを重視しています。熟成庫を使うというやり方はアメリカでも見て、それと同じことをやったのですが、どうやら日本では「熟成」だけが独り歩きしている気がします。店にある熟成庫の中にはオーシャンビーフのブロックが常時80本入っています。温度や湿度が高すぎたり低すぎたりすると、やはりダメージが大きくなります。温度は1℃に設定していますが、実際には人の出入りもあるのでプラス1℃位になります。0℃以下になると凍ってしまいますし、上がると菌数が増えてしまいます。肉そのものには当然雑菌がついていますから、環境の悪い状況においておくと雑菌が増えますし、逆に条件が良ければ良い菌が増えますので、酵母の香りや熟成香がつきます。熟成と腐敗は紙一重なんです。

ですから庫内の入室管理は徹底しています。特定のスタッフしか中に入れない。入る前には手を洗う、履物を替える等ルールを決めて、外から菌を持ち込まないようにしています。また、基本的に肉には手で直接触らないようにしています。触るということは雑菌が手から移ることになり危険性が高まるからです。湿度は調整していませんが、肉から水分が出るのでだいたい80~90%に保っています。後は熟成庫内全体の条件が均一になるように、サーキュレーターで風を送って空気を循環しています。

―貴店でACALAはどの様にお役立て頂いておりますか?

オープンから2年程は温度管理も手作業で行っていました。しかし、24時間人が監視しているわけにはいきませんし、キッチンやサービスのスタッフには他の仕事がありますから、何かあった時の異変に気付くのがどうしても遅くなります。そんな時に、知り合いからタイムマシーン社さんのACALAをご紹介いただきました。現在は熟成庫内に全部で8箇所、ACALAを設置して、8℃以上になった場合は警告メールが送信されるように設定しています。以前、実際に警告メールが飛んできたのですが、現場に駆けつけてみるとちょうどデフロスター(霜取り)と搬入の作業中でした。設置前は霜取りの時の温度変化の推移はわからなかったので、こういうときに本当に便利だと思います。ACALAを取り付けてからは本社の方でモニタリングできるようになりましたので、作業時間の効率化が進みましたし、異常があった場合にはすぐに手が打てますから、非常に重要な機器だと思います。なにより安心という意味においてもACALAを導入して良かったと思っています。

―貴重なお話をありがとうございました。

お店に入ると大きなガラス張りの熟成庫に吊るされた大きなビーフの塊がお客様をお出迎え。それは、店内の備長炭の香りと相まって確実に食欲をそそります。ACALAは熟成庫内で、日々刻々と温度のデータを刻み続けています。熟成庫の温度管理という本来の任務はもちろんですが、熟成という工程もひとつのエンターテイメントとしてご提供されている中でACALAが大きな役割を担っていることを嬉しく思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
WAKANUI GRILL DINING ■TOKYO
東京都港区東麻布2-23-14 トワ・イグレッグB1F
TEL:03-3568-3466
URL:http://www.wakanui.jp/index.html