シガーバー Ne Plus Ultra 銀座

銀座の喧騒の中に現れる、ひっそりとした隠れ家空間。ACALAは、このような特別な空間でも活躍しています。お客様へのおもてなし、葉巻管理の苦労など、お店のこだわりをご紹介いただきました。

―お店はとても素敵な空間ですが、どのようなおもてなしを心がけているかお聞かせ下さい。

ネプラスウルトラというのはポルトガル語で、元々はお酒の名前です。ネがnot、プラスマイナスのプラス、最高という意味のウルトラ、合わせて「これ以上ない、最高の」という意味を持っています。ですから店舗の内装にも重厚感やこだわりを持たせていますし、お酒も基本レアな物しか取り扱っていません。当店は、シガーバーとしておかげさまで全国的にも知られています。先週、今週で3本の取材を受けていますし、ドラマなどの撮影で使われることもあります。私たちが大事にしているのはお客様がお店の中で過ごす「時間」です。お客様にはいろんな方がいらっしゃいます。おひとりでいらっしゃる方もいればお連れ様といらっしゃる方もいますし、その日の体調や気分によっても変わってきます。ですから、まずはお客様をよく観察した上で、快適に過ごしていただけるよう心がけています。例えばお連れの方がいらっしゃる時には、会員の方よりもお連れ様が楽しんでいただけるように心がけています。葉巻を吸う方は圧倒的に男性の方が多いですが、女性の方でも「煙草の臭いはだめだけど葉巻の香りは好き」という方は多いですね。葉巻を吸う方イコール喫煙家というイメージもありますが、実際葉巻を吸う方の半分は煙草を吸いません。ほとんどの方は煙草を一切やらなくて葉巻に突然入ってハマっています。葉巻は添加物が一切入っていないので、落ち葉のたき火のような自然の香りが好まれるのだと思います。葉巻を吸われる方はここ10年ずっと増え続けていますね。私自身は葉巻を吸い始めて約20年です。吸い始めのころ、知り合いの年配の方に「葉巻は、本当にいいことがあったときだけ吸いなさい」と教わりました。アルコールや食べ物と同じように、葉巻も「いいことがあった時、嬉しい時こそ、本当のおいしさがわかる」ということなんですね。

―会員制についても教えて下さい。

最初に六本木店を始めたのですが、六本木という場所柄いろんな方がいらっしゃいます。どうしてもその場の空気を壊したり、他のお客様にご迷惑がかかってしまう場合がありましたので、会員制を取らせていただくことにしました。会員の方からは年会費をいただいていますが、ご来店の際にテーブルチャージやサービス料はいただいていませんので、普通のバーに行かれるよりもむしろ安く感じられると思います。また、ご自身で葉巻を持っていても、毎日会社に持って行くのは手間でしょう。都心の店に葉巻を預けてあって、いつでも気軽に遊びに行けるというのも魅力の一つだと思います。

―葉巻の種類と楽しみ方を教えてください。

葉巻は日本でいうところの香道に近いと思います。要は口の中で香りを楽しむというものですね。長さによっても香りも変わってきますし味も変わってきます。熟成の仕方でも変わってきます。葉巻にはドライシガーとプレミアムシガーという2つのタイプがあります。ドライシガーはいわゆる刻み系で、気軽に吸うような、極端に言うと安いシガーのことを指します。一方プレミアムシガーはたばこの葉っぱ3枚を1枚ずつ巻いていって3枚の葉っぱだけで作り上げたものです。まず1枚ずつを熟成させて熟成した上で1枚巻いたら上からもう1枚巻いてさらに熟成したらもう一枚を巻くという形です。葉巻はワインのように、必ず箱の裏に収穫した年月日が書いてあります。その年や月によって全然味が違いますし、1箱に25本から大きい箱だと50本、100本入っていますが、その中でも1本1本全部味が違ってきます。通常熟成には5年以上、長ければ7、8年かかります。物の熟成はすべて一緒だと思います。例えば、お肉にしても野菜にしても、ワインにしてもそうだと思うのですが、コクができてうまみが出てきてそのうえで丸みが出てきます。ヴィンテージや、熟成による味の変化も葉巻の楽しみ方のひとつですね。

―葉巻の管理の仕方や苦労した点をお聞かせください。

葉巻の管理は湿度が命です。ヒュミドールと呼ばれるスペインシダ(スペイン松)のケースで管理するのが一般的ですが、当店は桐製です。桐は桐箪笥に使われるように吸湿性が高いのと湿度を一定に保つ暗記力が大変高いのが魅力です。ただ、初めはばらつきが出てしまうので、1年位じっくりと毎日5リットル位ずつの精製水を吸わせて湿度を覚えこませるようにしました。葉巻にとって湿度は68から72%が最適で、基本的には大きいヒュミドールの方が管理しやすいのですが、当店の場合は会員様からお預かりしているシガーを入れるプライベートヒュミドールなので、ひとつひとつが絶対でなければいけません。ところがこれだけ大きなヒュミドールだと、海外製の自動温度湿度管理装置みたいなものを使ったとしても、湿度の管理が行き届かないんです。お店を始めて2年間くらいは、12個の湿度計をアトランダムに設置して、入店時に数値を全部チェックして、その後また違うところにランダムに入れて閉店後にまたチェックして・・・という繰り返しだったので、正直非常にストレスがたまりました。しかも、そうして統計を取ったにも関わらず、実際データを見てもピンと来ないんです。なかなか予測がつかないので苦労しましたね。

―ACALAを導入したきっかけや、どのようにお役立ていただいているかをお聞かせ下さい。

そんな時に、会員様からタイムマシーン社さんをご紹介いただきました。これによって、プライベートヒュミドールひとつひとつの湿度管理ができるようになりました。現在ヒュミドールの裏側に加湿器が3台あるのですが、パソコン上でデータを見て足りないところだけに加湿しています。以前は、失敗しないように、下がりすぎないよう、上がりすぎないよう、湿度計をランダムに入れ替えたりデータをこまめにとったりと大変だったのですが、ACALAで管理するようになってから、その手間がなくなり、代わりにパソコンで見られるようになったので、すごく楽になりました。今は非常に安定していますし、自分たちの理想通り70~72%で湿度を調節できています。

―貴重なお話をありがとうございました。

葉巻が「香りを楽しむ」ものであり、また「嬉しい時に味わうもの」だということをお聞きし、今までよりも身近に感じられるようになりました。また、ACALAの導入によってお店の方々の負担が軽減され、より安定した理想的な管理がなされるようになったこと、そしてよりよいサービスに活かされることをお聞きし、弊社としても嬉しい限りです。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

シガーバー「Ne Plus Ultra 銀座」
東京都中央区銀座7-2-11 横須賀第五ビル B1F
TEL:03-5537-6531
URL:http://www.neplus-ultra.jp///