2022.08.04.Thu

温度記録・管理に役立つデータロガーとは?

温度記録・管理を行うためには、データロガーが必要です。しかし、データロガーは専門的な機器として認識されていることも多く、その仕組みを知らない方も多いことでしょう。そこで今回は、データロガー(温度ロガー)の概要や仕組みなど、詳しい基礎知識をご紹介します。

データロガーとは?

データロガーとは、データを格納するための機器全般のことを指します。主な機能は、一定間隔の測定データを記録し、データをロギングすることです。計測データには電圧や振動、ひずみゲージ、GPS、衝撃、温湿度などがあります。用途は幅広く、食品業界や輸送業界、医療業界、化学業界などで用いられています。

温度記録・管理には温度ロガー

冷蔵庫・冷凍庫および、室内の温度記録・管理を行うには、温度計測・記録ができるデータロガーを用意する必要があります。温度計測・記録に対応している製品は、温度ロガーや温度記録計と呼ばれます。

なお、仕組み自体はとてもシンプル。温度計にロガー機能が付いている形です。ただし、仕様や機能についてはそれぞれ違いもあるため、購入する際は後述の「温度記録・管理用のデータロガーを選ぶポイント」を確認してください。

温度ロガーの種類

温度ロガーは大きくアナログ式とデジタル式に分けられます。以下で、それぞれの特徴や違いについて解説します。

アナログ式温度ロガー

データの記録媒体がアナログであるタイプです。出力データはロール紙などに記録されます。なお、アナログ式の温度ロガーは「温度記録計」と呼ばれるケースが多い傾向にあります。近年は活躍の機会が減ってきていますが、厳密な温度管理が求められる標準室などでは、現在でも利用されています。一方、冷蔵庫や工場、厨房などにおける温度管理・記録には向きません。

デジタル式温度ロガー

現在普及している温度ロガーの多くはデジタル式です。温度計自体がデジタル式となっているものが多く、そこで得られたデータがロガーに送られ記録されます。温度計(センサー)は一体型のものや分離型のものがあります。

記憶媒体には本体内蔵のメモリやSDカード、USBメモリなどが用いられます。記録されたデータはその後コンピュータに取り込まれ、管理や解析に役立てられます。また、アナログ式の温度ロガーに比べると小型で、置き場所に困りません。そのため、冷蔵庫・冷凍庫はもちろん、工場の製品管理や品質管理、冷暖房空調管理などで広く利用されています。

温度記録・管理用のデータロガーを選ぶポイント

 

一口にデータロガーと言っても、それぞれ仕様や機能は異なります。そこで以下からは、温度記録・管理用のデータロガーを選ぶ際のポイントをご紹介します。

入力信号タイプ

データロガーは温度だけでなく、湿度や圧力、水位など、さまざまなセンサに対応しています。そのため、データロガーを購入する際には、はじめに入力信号タイプが対象データに対応しているかを確認しましょう。なお、産業用センサでよく用いられるのは4~20mAの電流ループ出力で、例で挙げたデータに対応可能です。

また、温度記録・管理に限定すると、高温に適したロガーや、低温を得意とするロガーなどの分野があります。計測対象に合わせて、適した入力信号タイプの製品を選びましょう。

チャネル数

データロガーにはシングルチャネルとマルチチャネルがあります。後者は複数の信号を入力可能にするもので、4〜8チャネルが一般的です。どのようなデータを計測するかによって必要なチャネル数は異なりますが、ポイントはアプリケーションとの互換性です。いくつかのアプリケーションは、複数のチャネルを必要とするため、購入時には事前確認を怠らないようにしましょう。

ストレージ

データロガーに記憶できるデータの量は、ストレージによって決まります。ただし、データロガーのサンプルレートは多くの場合とても低く、そこまで大きな容量が求められることはありません。なお、一部大きなサンプリングレートが求められる製品もあり、この場合は大きなストレージが必要になります。

本体サイズ

たとえば冷蔵庫・冷凍庫の温度記録を行いたい場合、本体の大きな温度ロガーは庫内でスペースを取ってしまいます。そのため、計測する場所やシチュエーションに合わせて本体サイズを選びましょう。

データロガーの通信方式

データロガー内部に蓄積されたデータを吸い上げるためには、インターフェースを介した通信が必要です。その方式はデータロガーによって異なります。以下では、主な通信方式とそれぞれの特徴をご紹介します。

有線方式

データロガーに直接ケーブルを接続し、データを取得する方式です。この場合の有線とは、有線LANやRS485などを指します。ケーブルの取り回しが必要というデメリットはありますが、高温多湿下でも利用できるほか、電力使用量が小さいといったメリットがあります。

USB方式

データロガーにUSBで接続し、データを取得する方式です。有線方式のようにケーブルを這わせる必要がないため、設置場所を選ばないのがメリットです。一方、データ取得のためには人が直接データロガーの場所まで足を運ばなくてはならないという手間が発生します。また、データを取得するまで記録された温度が分からず、リアルタイム性に欠けるというデメリットもあります。

無線方式

データ取得を無線で行う方式です。通信規格にはWi-FiやBluetooth、携帯通信網などが挙げられます。ワイヤレスなので設置場所が自由であり、かつリアルタイム性の高いデータ取得が実現します。より詳しい内容は「無線ロガーで冷蔵庫の温度管理の課題を解決」をご覧ください。

温度ロガーと合わせて考えたいプラットフォーム

温度ロガーは自動で定期的な温度計測データを記録し、保管するための機械です。しかし、ここに蓄積されているのは言わば生データであり、温度ロガーから吸い上げた状態では視認性が良いとは言えません。

そこで、エクセルなどを使いデータを整理し、可視化した上で分析をすることになるのですが、この作業には手間がかかります。また、どのような分析をするのが良いかで迷うケースもあるでしょう。

こうした際に重要となるのが、温度管理プラットフォームです。これは温度管理に特化したアプリケーションであり、データの流し込みをすれば簡単に分析が可能です。温度ロガーを導入するのであれば、合わせてそのデータを取り扱うプラットフォームについても目を向けましょう。

ACALAなら温度ロガーからプラットフォームまでを一括でご用意

当社がご提供するACALA シリーズは、温度記録・管理に必要となるシステムをパッケージとしてご提供しております。専門的な知識は一切不要。機器が到着したその日から、すぐに温度記録・管理にお取り組みいただけます。

また、料金は月額定額であり、かつ温度ロガーは定期的に無償交換を行っています。自社で用意した場合には、精度劣化といったトラブルが発生することもありますが、ACALAであればこうした心配は不要。機器買い替えの必要もなくなるため、長期でご利用いただくとよりリーズナブルとなり、おすすめです。

まとめ

正確で信頼性の高い温度記録・管理には、温度ロガーが欠かせません。現在、温度管理を人力で行っているような場合は、自動化に向けた取り組みをおすすめします。当社のACALAであれば、データロガーやゲートウェイ、さらには温度管理・記録に特化したプラットフォームを一括でご用意可能です。導入をご検討中の場合は、ぜひ一度ご相談ください。