2019.03.15.Fri

HACCPの導入・普及状況は?中小企業と大企業で大きな差が

2018年6月に改正された食品衛生法により、2020年から段階的に導入の必要性が高まることとなったHACCP。しかし、日本における現在の普及状況はどれくらいなのでしょうか? また、導入済み企業の事業規模なども気になるところです。そこでこちらでは、2018年に発表された農林水産省のデータを基に、HACCPの現状について調べていきます。

日本におけるHACCPの普及状況

HACCPの歴史は古く、宇宙食の安全性を確保するために始まった考え方で、1970年代にアメリカ食品医薬品局(FDA)が、一部の食品でHACCPの考え方を取り入れ始めました。また1992年には、オーストラリアやカナダでも導入が進みました。一方の日本はというと、実はHACCPの取り組み自体は1995年から開始されています。しかしまだ規定が固まっておらず、本格的に導入がはじまったのは2000年頃のことです。この時期に制度強化が行われたのには、「総合衛生管理製造過程承認制度」の承認施設において大規模な食中毒を起こしたことが最たる原因と言われています。

● 2000年の段階での普及状況

制度強化によって本格化した日本におけるHACCP導入の取り組み。しかし、当時の普及状況は決して芳しいとは言えませんでした。農林水産省による食品製造業におけるHACCPの導入状況実態調査によると、2000年の時点でHACCPを導入済みだった企業(従業員5名以上)はわずか3.3%。導入途中・検討中の企業もまだ4割程度でした。しかし、2017年の時点になると導入企業は33.6%まで拡大。導入途中・検討中の企業を合わせると、6割を超える企業がHACCPに対しての意識を持っていることが分かっています。

● 中小企業における普及はまだ過渡期

普及の兆しを見せるHACCPですが、問題がないわけではありません。とくに注視すべきなのが、大企業と中小企業を比較した際の普及率の差違です。以下は、販売金額規模別におけるHACCPの導入状況を表した表です。

このように、導入済みを比較した場合その差は歴然。また、導入途中・検討中といった積極的な意見を合わせたとしても、大企業と中小企業とでは大きな開きがあることが分かります。なお、同調査では従業員4名以下の企業からの回答も集計していますが、ここでのHACCP導入済み企業割合は21.3%。12.3ポイントもの差が出てしまっています。

中小企業が取り組みやすいHACCP対策は?

統計調査の結果からも分かるとおり、HACCPは従業員数が多く、販売金額規模が大きい企業を中心に普及が進んでいる状況にあります。一方で、中小企業についてはまだまだ導入に大きなハードルがあるのかもしれません。しかし、2020年からは段階的に食品を扱うすべての事業者に対してHACCPの考え方に基づいた衛生管理が求められるため、中小企業であっても対策を考える必要に迫られているのが実情です。

● 具体的な導入設備

それでは実際に、HACCP導入のために揃えていきたい設備機器にはどのようなものがあるのでしょうか? 農林水産省が作成した資料では、以下の設備がHACCPシステム導入において活用できると説明されています。

・低温室等の自動温度記録器・警報器
・記録装置付き空調機、冷蔵庫
・エアーシャワー
・熱水スプレー式レトルト殺菌機
・バーコードリーダー
これらの設備導入はHACCPへの取り組み強化につながるだけでなく、自社製品の品質保全・向上にもつながります。人材確保や技術的知識、何よりもコスト面で課題はありますが、ぜひ積極的な導入を検討しましょう。

イニシャルコストを抑えた自動温度記録器・警報器ならACALA

前項でご紹介した低温室等の自動温度記録器・警報器としておすすめなのが当社のACALAです。無線通信可能で電池駆動式の完全ワイヤレスの温度センサにより安定したメッシュ型の無線ネットワークを構築し、連続的なデータ記録・管理を実現。さらにクラウドシステムとの連携で、問題発生時にはアラートを発報します。温度管理に関わるHACCP導入支援ツールとして、現在多くのお客様に選ばれています。なお、本サービスは月額利用料のみ(※1)で利用可能で、初期費用は頂きません。また、ワイヤレスなので配線工事は不要。後付が可能な機器となるため、既存設備の変更も必要ありません。お客様がDIYで簡単に設置できる点が魅力です。※センサの校正証書発行など、オプションサービスが必要な場合は別途費用が発生します。このように、導入に向けたハードルの低さはACALAの大きな特徴です。HACCP導入に向けて温度記録・管理が必要になったという事業者様は、ぜひ当社のACALAをご検討ください。

まとめ

国内全体では普及が進むHACCPですが、中小企業の現場においてはまだそのスピードは緩やかです。一方で、2020年になる前には、事業規模にかかわらず、HACCP導入を本格的に検討する必要があります。その第一歩として、当社のACALAは最適なソリューションです。ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。