食品衛生法の改正によって、食品関連会社にはHACCPへの対応が喫緊の課題となりました。そしてこの影響は、食品を扱う物流業界にも及んでいます。今回は、そんな物流業界におけるHACCP対応のポイントとして温度管理に焦点を当てながら、自動温度管理システムのメリットについてご紹介します。

食品衛生法改正はすべての食品業者が対象

2018年に改正が行われた食品衛生法では、すべての食品業者に対して、HACCPを用いた衛生管理が求められています。そして、この“すべての食品業者”のなかには、食品を扱う物流業者も含まれました。その点については業界でもさまざまな意見があり、政府に対して業界関係者が調整に入るといったニュースも話題となりました。今回の改正で、小売店舗などへ配送などを行う食品運搬業者に対し、営業届出が必要になると見られています。従来までは、コンビニなどへの食品配送倉庫などを含む冷凍・冷蔵業（冷凍冷蔵倉庫業者）のみが許可業務であったこともあり、業界にとっては大きなインパクトと言えるでしょう。施策自体は2019年4 月1日から順次施行されるということもあり、各社が対応に負われています。

現状の食品物流業界における温度管理

HACCPへの対応は、衛生・品質管理強化に向けた仕組み作りとも言い換えられます。それでは、物流業界の場合、具体的にはどのようなポイントに注力すればよいのでしょうか。物流業界における衛生・品質管理で、基本的でありながらも最重要となるのが温度管理です。とくに許可業種の冷凍・冷蔵業（冷凍冷蔵倉庫業者）においては、食の安全が叫ばれる時代ということもあり、温度管理に対しての意識向上が進められてきました。しかし、実際の現場においては、倉庫内に設置された温度計をスタッフが定期的にチェックし、紙で作られた表に記録するという手作業が行われているのが事実です。この手順自体に誤りはありませんが、精度という意味では厳しい見方もできるでしょう。たとえば、万が一トラブルが発生した場合。間隔がある程度空いてしまう定期チェックでは、原因究明の材料になり得ない可能性もあります。また、現場が繁忙となった場合は、チェックが疎かになるケースもあるでしょう。こうした課題は、HACCP以前に考えなくてはならない問題のひとつとも言えます。そして食品衛生法の改正は、そのスピードをさらに上げなくてはならないきっかけのひとつになったとも言えるでしょう。

自動温度管理の導入は始めの一歩

HACCPへの対応や、衛生・品質管理レベルの向上を目指すうえで、自動温度管理システムは強力なソリューションになり得ます。以下からは、当社がご提供するクラウド型統合監視記録ソリューション「ACALA」が実現する、温度管理に関わるメリットについてご紹介します。

● ACALA導入メリット1.異常検知によるアラート

ACALAには異常検知アラート機能が備わっています。倉庫内に設置されたセンサが温度異常を検知した場合は、アラートがメールや電話で発信されます。また、現場でブザーを鳴らすといった運用もオプションで実現可能です。これらのアラート機能により、管理者はリアルタイムで異常を検知できます。また、インターネットにつながったPCやタブレット、スマホがあれば、その場ですぐに詳細も確認でき、早急な対応につながります。

● ACALA導入メリット2.遠隔監視

倉庫内を巡回中のスタッフや運転中のドライバーが異常に気づかない場合でも、ACALAの遠隔監視機能があれば本部などが状況を把握、一元管理が可能です。加えて、クラウドに保管されたログからいつ、どこで、何が起こったのか分析できるので、異常発生の原因究明にもつながります。

● ACALA導入メリット3.ひと目で分かる現在の状況

ACALAの管理ソフトでは、複数施設や車両の状況を一覧表示できます。管理者はその画面をひと目見るだけで各施設の現在の状況が確認可能。また、車載専用システムのACALA MOBILEはGPSが搭載されており、物流トラックの場所も把握可能に。トレーサビリティの強化につながります。

●ACALA導入メリット4.分析によるオペレーション効率化
ACALAの管理ソフトには、帳票の自動出力機能はもちろん、時間による温度変化などの情報位置情報（車載システムの場合）も蓄積されます。それを解析することで、オペレーションの効率化が図れる可能性もあります。温度上昇しているシチュエーションやタイミングなどのパターンが見つかれば、より適切なマニュアルづくりにも役立ちます。

まとめ

物流業界にも押し寄せるであろうHACCPの波。その対応に、当社のACALAは非常におすすめです。初期費用はゼロ。初期設定も不要ですから、スムーズな導入が実現できます。また、設置自体の容易さも多くのお客様にご評価いただいております。現在、HACCP対応について検討中のご担当者様は、ぜひACALA導入も選択肢のひとつにお加えください。