2018.12.15.Sat

食品工場で徹底すべき食品衛生の3原則

食品工場にとって、安心・安全な食物の提供は常に求められる要件です。そこでこちらでは、多くの食品取扱業者が基準としている「食品衛生の3原則」の概要と、実施のために知っておきたいポイントについてご紹介します。

食中毒予防のための3原則

食品工場で発生する多くの食中毒は、細菌やウイルスが原因と言われています。これを予防するためには、食中毒予防のための三原則を現場で徹底することが求められます。

● 菌をつけない

細菌はさまざまな場所に潜んでいます。そのため、調理前や配膳には、必ず手洗いや消毒を徹底しましょう。また、調理後はもちろん、調理中であっても、別の食材に触れる際は消毒をするのが大切です。加えて、原材料の区分保管や調理器具の用途・食品別に分けることも徹底してください。

● 菌をふやさない

たとえ微量な細菌であっても、繁殖すればその数は膨大となります。そのため、菌を“ふやさない”ことを徹底しなくてはなりません。原材料は適切な温度で管理し、下処理・調理は速やかに行いましょう。また、調理後の食品についてもしっかりと温度管理をする必要があります。

● 菌をやっつける

細菌は加熱や殺菌によって“やっつける”ことができます。加熱調理食品は基準に沿った温度・時間を守りましょう。また、生食で提供する野菜や果物については、次亜塩素酸ナトリウムが有効です。なお、同時に手指や使用後の器具・容器の洗浄消毒も必ず実施してください。

「ふやさない」「やっつける」で大切なのは温度管理

食中毒予防の三原則のなかで、「ふやさない」「やっつける」は温度管理によって実現できます。以下で、具体的な手法についてご紹介します。

● 食品保管時の温度管理

細菌が増殖するには「水分」「栄養」「温度」という条件が揃う必要があります。言い換えれば、このいずれかがない状況であれば、細菌を“ふやさない”でいられるということ。しかし、食品の場合は水分と栄養がそのものに含まれています。したがって、食品工場がコントロールできるのは温度のみです。細菌の発育が起こる温度は10~60℃です。36℃前後はもっとも発育に適しているため、温度管理の際には注意しなくてはなりません。とくに、非加熱のまま提供する魚などの食材については、保管温度の管理徹底が求められます。

● 食品加熱時の温度管理

細菌を“やっつける”のにもっとも効果的なのは熱です。焼く・煮る・蒸すといった加熱処理によって、細菌は死滅させられます。たとえばO-157の場合、75℃で1分以上加熱することで安全性が保たれます。ただし、一点注意すべきは温度の測定方法です。加熱時に測るのは食材の中心部でなくてはなりません。外側の温度測定だけが基準値を満たしていたとしても、細菌がまだ潜んでいる可能性があるので注意しましょう。

温度のリアルタイム管理がもたらすメリット

前項のとおり、温度管理の徹底には注意すべき点が多くあり、手作業で行う場合は多くの労力を要します。さらに言えば、確実性の点で不安が残るとも言えるでしょう。そこでぜひ導入をご検討いただきたいのが温度のリアルタイム管理です。以下では、当社がご提供するクラウド型統合監視記録ソリューション「ACALA」を例に、温度監視記録システム導入のメリットについてご紹介します。

● 遠隔モニタリングとアラート機能による異常検知

食品管理においては小さなミスが大きな問題に発展する可能性があります。たとえば、冷蔵庫の扉がきちんと閉まりきっていなかった場合、庫内の温度が上昇してしまうケースも考えられるでしょう。ACALAのセンサーが測定データを“毎分”クラウドへと自動送信。閾値を外れた温度が検出された場合は電話やメール、ブザーによるアラート通知がなされ、スピーディーな異常発見につながります。繁忙時間や休日中であってもリアルタイム監視がなされるため、リスク回避に大きく貢献します。

● データ自動取得と帳票自動作成による管理業務の効率化

冷蔵庫や冷凍庫の定期チェックは簡単ではあるものの面倒な作業とも言えます。ACALAであれば、この現場作業をすべてセンサーとクラウドでリプレイス可能。測定データが自動で蓄積されていきます。また、日報や週報、月報も事前に設定することで自動化が実現できます。紙に直接記載する管理方法ではなく、デジタルデータだからこそのメリットと言えるでしょう。このように、温度監視記録システムであれば現場の従業員だけでなく、管理部門の業務も大幅に効率化されます。

● 24時間365日連続モニタリングによる衛生・品質管理クオリティの向上

測定データが常時測定されていることは、トラブル発生時の原因究明や、業務改善に役立ちます。たとえば夜間に誰もいない状況で何らかの問題が起こった場合。ACALAであれば、いつ・どこで・何が・どうして?といった情報を正確に把握できるため、再発防止に役立ちます。また、冷蔵庫の庫内温度は機器の特性や現場スタッフのオペレーションによって変化するもの。その規則性を読み取れば、最適な霜取りタイミングの設定や、メテナンス期や買い換え時期の割り出し、冷蔵庫の設定など、さまざまな状況改善が期待できます。PDCAにおける“Check”は精度が重要です。その点において、温度監視記録システムは優秀なパートナーであり、衛生・品質管理クオリティ向上に貢献すると言えるでしょう。

まとめ

そもそもACALAは薬局保有の薬剤ストック温度記録といったシビアな場面を想定して開発されたシステムです。無線でありながら、有線接続に匹敵する信頼性を実現。防塵・防水にももちろん対応しています。さまざまなシチュエーションに対応可能なセンサーを複数ご用意しておりますので、食品衛生の徹底を図りたいというお客様はぜひご検討ください。