野菜にも温度管理を!鮮度と安全性を保つためのポイント
新鮮で安心な食事を顧客に提供しようという場合は、各食材の適切な保管方法について知ることが求められます。これは野菜も同じで、種類によって保管場所が違う、といったことも少なくありません。そこで今回は、野菜の鮮度と安全性を保つためのポイントについて解説します。
野菜の温度管理が必要な理由
ほぼすべての食品には、温度管理が必要です。食材ごとに最適な温度は異なりますから、それぞれに応じた保存温度を維持しなくてはなりません。これは野菜でもまったく同じことが言えます。
アメリカの農産省の研究によると、多くの野菜の最適な保存温度は0℃前後とされています。キャベツやニンジン、たまねぎといった野菜は、実際に0~5℃が最適な保存温度です。
しかし、ウリ科やナス科の野菜については、冷やしすぎることがマイナス要素となるケースもあります。ここで注意したいのが低温障害です。
低温障害とは?
冷蔵庫のような気温の低い環境に適さない野菜については、長期保存を行うと劣化が起こります。これを低温障害と呼びます。主な原因は、その野菜が生まれた環境が影響しています。たとえば、熱帯や亜熱帯が原産の野菜は暑い環境で育つため、気温が低すぎると低温障害を起こしてしまいます。一方、原産地が寒冷地の野菜については、冷蔵庫で保存しても問題ありません。
なお、低温障害によって起こる症状はさまざまです。たとえばオクラの場合は水浸状の斑点ができた後に腐敗します。一方、きゅうりの場合はピッティングと呼ばれる現象が起こります。いずれも共通するのは、低温による凍傷が野菜の表面に発生し、そこから腐り始めるといった流れです。
各野菜における保存時の最適温度
続いて、より具体的な野菜の保存における最適温度についても見ていきましょう。いくつか例を挙げてご紹介します。
野菜 | 保存温度 |
大根 | 0~5℃ |
かぶ | 0~5℃ |
キャベツ | 0~5℃ |
白菜 | 0~5℃ |
ほうれん草 | 0~5℃ |
ニンジン | 0~5℃ |
ブロッコリー | 0~5℃ |
にら | 0~5℃ |
たまねぎ | 0~5℃ |
にんにく | 0~5℃ |
ピーマン | 7~10℃ |
おくら | 7~10℃ |
トマト | 7~10℃ |
なす | 8~10℃ |
きゅうり | 10~13℃ |
ジャガイモ | 10~13℃ |
サツマイモ | 10~13℃ |
かぼちゃ | 10~13℃ |
しょうが | 14℃ |
野菜の保存場所は3つが基本
各野菜を保存する際の最適温度が分かった後は、それぞれをどこで保管すべきかについても考えていきます。野菜の保存場所は、基本的に「冷蔵庫」「野菜室」「冷暗所」の3つです。それぞれのポイントについて解説します。
冷蔵室
前提として、冷蔵室というのは野菜の貯蔵ではなく、食品の腐敗を防ぐための温度設定になっています。そのため、基本的には野菜を入れるには低温すぎると考えておきましょう。
ただし、低温障害が起こらない野菜に関しては冷蔵庫での保存が可能です。たとえば大根やカブなどの最適温度は0~5℃となるため、冷蔵でも問題ありません。ただし、野菜にはそれぞれ最適な湿度があります。多くのものは90~95%と多湿な状態での保存が基本です。一方、たまねぎやにんにくは湿度を上限70%に留めておくほうが長持ちします。
野菜室
野菜室の温度は設定にもよりますが、5~10℃程度です。そのため、低温障害が起こりやすいが、あまり温度が高すぎてもいけないというデリケートな種類の野菜を保管する場所と考えておきましょう。具体的にはピーマンやおくらなどが、最適温度7~10℃となり、野菜室での保管が推奨されます。ついつい名称から「野菜はすべて野菜室へ」というイメージがありますが、必ずしもすべてではない、という点に注意してください。
冷暗所
冷暗所とは、直射日光が当たらない場所のことで、湿度も低めの環境を言います。目安としては14℃以下となるため、きゅうりやジャガイモなど、土の中で育つ野菜の保管に適しています。ただし、夏場は気温が高くなってしまう可能性もあるため、状況に応じて野菜室と使い分けましょう。
野菜の冷凍保存はできる?
野菜のなかには冷凍保存に向いているものもあります。たとえばほうれん草や小松菜、ブロッコリーといった野菜は、冷凍することで旨味が増える場合もあります。一方で、水分の多い野菜(レタスやトマトなど)や根菜類は、冷凍によって味が落ちてしまう傾向にあります。やむを得ない場合を除き、冷凍保存は避けるようにしましょう。
温度管理で保つ野菜の鮮度
次に、野菜の温度管理を行う上でよくある落とし穴についても触れていきます。
冷暗所の温度管理、できていますか?
前述のとおり、冷暗所は季節によって温度が変わりやすい場所です。冷蔵庫や野菜室のように、温度を設定することができないため、注意をしなくてはなりません。にもかかわらず、実は温度管理がおざなりになるケースもあります。
冷蔵庫の温度管理は、食品の保管だけでなく、機器の故障や不具合などを調べる意味があります。そのため、温度計の確認にも気を配る必要性が高いのです。しかし冷暗所は冷蔵庫のような故障はありませんから、ついつい確認の頻度が少なくなりがち。結果、気温の上昇を察知できず、食品を傷める原因にもなり得るのです。
冷蔵庫における温度管理の落とし穴
冷蔵庫の温度管理を、定期的な目視チェックと温度表への記入で実施しているところも多いでしょう。原則としてはその方法でも温度管理自体はできていますが、リスク等を踏まえると自動温度管理システムなどの導入が推奨されます。
目視チェックの場合、どうしても記録間隔が空いてしまいます。どれだけ細かく行ったとしても、30分以上は記録されていない時間ができてしまうでしょう。その状況で万が一何らかのトラブルが起こってしまうと、原因究明時に詳細な時間データを確認できません。
一方、自動温度管理システムなどを使うと、温度記録の頻度を格段に上げられるため、データの信頼性が向上します。外部機関から温度記録の提出を求められるような場面であっても、確かなエビデンスが残っているので安心です。
野菜の温度管理にもACALA MESHがおすすめ
野菜を新鮮な状態で保つためには、冷蔵庫や冷暗所における温度管理が重要です。こうした際におすすめなのが、当社がご提供するACALA MESHです。
仕組みはとてもシンプル。無線式の温度ロガーを冷蔵庫や冷暗所に設置するだけです。あとは、クラウド型の専用プラットフォームに数分単位で計測されたデータが蓄積されていくため、連続性のある温度記録が行えます。もしも人力でこの記録作業を行おうとすれば、数分に1回の頻度で温度記録を行わなくてはならないため、スタッフの負担が増えるでしょう。ACALA MESHの導入は、人件費削減にもつながるのです。ACALA MESHでは、温度と湿度を同時に計測できるロガーもあり、野菜の保管庫管理には最適です。
また、料金は月額制となっており、イニシャルコストはかかりません。設置も非常に簡単で、専門知識も不要。レンタル品である温度ロガーが到着したその日から、温度管理をはじめられます。現在よりもより安全かつ確実に野菜を保管したいという方は、ぜひ当社までご相談ください。
まとめ
野菜は鮮度が重要な食材です。おいしくて安全な状態でお客様に提供するためには、しっかりと品質管理を行いましょう。また、今回ご紹介したとおり、野菜の保管はそれぞれの最適な保存温度を知り、適切な保管場所を選んで保存するようにしましょう。当社がご提供するACALA MESHであれば、より確かな安全性を実現できます。野菜の保存等でお困りの方は、ぜひご活用ください。