2024.05.21.Tue

業務用冷蔵庫の処分方法は?

工場や厨房などで使われる業務用冷蔵庫は、一般家庭用とはサイズも機能も大きく異なります。そのため、処分の際にも粗大ゴミで捨てる、といったことはできず、専門の業者へ依頼するなどの手続きが必要です。ここからは、業務用冷蔵庫の処分方法について詳しくご紹介します。

業務用冷蔵庫の特徴と処分のポイント

業務用冷蔵庫は、一般家庭用とは異なり、特定の方法で処分が義務付けられています。とくに、フロンガスを使用した場合、選べる業者が限られます。業務用冷蔵庫を処分する際の基礎知識について見ていきましょう。

どうして粗大ごみや家庭ごみとしては処分できないのか?

業務用冷蔵庫は一般家庭用の冷蔵庫とは違い、家電リサイクル法の対象外です。したがって、購入店では回収されず、産業廃棄物として専門業者に処分を依頼する必要があります。粗大ゴミとして自治体に回収してもらう、といったこともできませんので注意が必要です。

産業廃棄物になる冷蔵庫

業務用冷蔵庫には、作業台機能を持つコールドテーブルや厨房向けのものだけでなく、ショーケース、製氷機、お寿司のネタケースなども含まれます。家庭用冷蔵庫やワインセラーを除く冷蔵装置は、業務用と見なされ、産業廃棄物として適切に処理する必要があります。以下は、産業廃棄物となる冷蔵庫の代表例です。

 

  • コールドテーブル
  • 厨房用冷蔵庫
  • ネタケース
  • ショーケース(ケーキ用やビール用なども含む)
  • 製氷機
  • 冷凍ストッカー

正しい処分業者の選び方

産業廃棄物を回収し廃棄するためには、特別な許可が必要です。また、フロンガスの使用や可燃性などによって、求められる許可が異なります。以下を踏まえて、適切な処分業者へ依頼をしましょう。

フロンガス使用の冷蔵庫 「産業廃棄物収集運搬業」及び「第一種フロン類回収業者」の許可を持つ業者に依頼。
ノンフロン(微燃性)の冷蔵庫 「産業廃棄物収集運搬業」の許可を持つ業者に依頼。微燃性であることを伝える。また、「第一種フロン類回収業者」の許可を持つ業者にも依頼可能。
ノンフロン(可燃性)の冷蔵庫 「産業廃棄物収集運搬業」の許可を持つ業者に依頼し、可燃性であることを伝える。特定のガイドライン(GL-25)に従った処分が必要。

なお、不正確な業者に依頼すると、不法投棄や不適切な処理が行われる恐れがあります。こうした悪質な業者に処分を依頼してしまうリスクを避けるためにも、事前の許可確認は重要です。

フロンガスについての注意点

フロンガスは、オゾン層に悪影響を及ぼす可能性があるため、特別な取り扱いが必要です。そのため、前述のとおり処分する業者には「産業廃棄物収集運搬業」及び「第一種フロン類回収業者」の許可が求められます。

なお、冷蔵庫にフロンガスが使用されているかは、製品の銘柄シールや取扱説明書で確認できます。以下のような表記がないかを確認しましょう。

 

  • 冷媒ガス
  • フロンガス
  • R-12、R-134a、R-22など(Rではじまるもの)
  • HFC-134aなど
  • HCFC-22など
  • CFC-12など

処分にかかる費用の相場

業務用冷蔵庫は、サイズや搬出作業の複雑さから、処分費用は一般家庭用よりも高くなる傾向にあります。また、フロンの使用・不使用でも金額が大きく変わるので注意が必要です。

 

  • ノンフロン: 約2~4万円
  • フロン使用: 約5~10万円

産業廃棄物運搬業者に回収を依頼するメリットとデメリット

産業廃棄物運搬業者のような専門業者へ業務用冷蔵庫の処分を依頼するメリットは、何と言っても適切な処分が行える点にあります。悪徳な業者などに格安で回収をされた場合には、不法投棄などの犯罪リスクが上がる可能性も十分に考えなくてはなりません。

一方で、どうしても高くなってしまうのがコスト面です。さらに、産業廃棄物収集運搬業者の許可を得ていない悪質な業者が一部ある、といった点はデメリットと言えるでしょう。

産業廃棄物運搬業者以外で業務用冷蔵庫を処分する方法

 

前述までの産業廃棄物運搬業者を使った処分は、業務用冷蔵庫において確実で安全な廃棄方法です。しかし、業務用冷蔵庫の処分には、その他にもいくつか方法があります。

業務用機器の買取専門店での買取

売却対象である業務用冷蔵庫の使用状態が良ければ、買取専門店による高価買取の対象となります。また、需要の高いモデルなどの場合は、さらなる買取価格アップになるケースもあります。

メリット 処分費用が発生せず、売却によって収益を上げられる場合がある。
デメリット 使用できる状態のものに限定される。

販売店の引き取り

新しい冷蔵庫の購入を検討中であれば、古いものを販売店に引き取ってもらう選択肢もあります。廃棄料金がかからないため、結果として安く買い替えが行えます。

メリット 無料で処分でき、新しい製品の購入価格も割安に。
デメリット 新品購入時のみ、また、すべての販売店での対応は難しい。

居抜き譲渡

居抜きとは、設備をそのまま残し、物件と共に売却する方法です。飲食店を運営しており、店舗の移転や閉店を予定している方におすすめ。

メリット 物件の売却価格を引き上げることが期待できる。
デメリット 次の入居者のニーズと合致する必要がある。

業務用冷蔵庫の寿命を延ばすメンテナンスとチェックも大切

ここまで、業務用冷蔵庫の処分方法についてご紹介しました。しかし、もしも期待する耐用年数を満たす前に故障などのトラブルが発生してしまっているのなら、先に“使い方”から見直すことをおすすめします。

一般的に、冷蔵庫の寿命はおおよそ10年とされています。しかし、業務用冷蔵庫には耐用年数や使用年数は定められておらず、さらに長い年月使われているものも少なくありません。

しっかりと寿命を迎えるまで業務用冷蔵庫を使い続けるためには、日頃のメンテナンスが大切です。メンテナンスには「故障リスクを最小限に抑える」「設備の寿命を延ばす」といった目的の他にも、設備停止時間を短くして損失を減らしたり、食品の腐敗が起こるリスクを低減するなどの役割があります。

設備メンテナンスの詳しいポイントについては、以下の記事をぜひご覧ください。

>>食品製造を行う工場の設備メンテナンスとポイント

冷蔵・冷凍庫の温度管理ならACALA

冷蔵庫単体におけるメンテナンスを考える際に重要となるのが、正常稼働を見極めることです。

冷蔵庫が故障する際のサインとしてもっとも分かりやすいのは、庫内の温度異常です。突然冷えなくなるなどの症状は、何らかの不調を意味します。

しかし、問題はその異常をどのように察知するかです。できる限り早く故障に気づかなくては、庫内の食品などにダメージを与えてしまい、最悪すべてを廃棄しなくてはなりません。

こうした際におすすめなのが、当社がご提供する自動温度管理システム「ACALA」です。24時間365日によるリアルタイム監視と、専用プラットフォームによるアラート機能が組み合わさることで、故障時の迅速な発見につながります。

また、蓄積されたデータを分析することで、緩やかに起こっている不調などの発見につながることも少なくありません。

まとめ

業務用冷蔵庫を処分する際には、必要に応じた正しい方法を選択してください。ただし、これにはお金も手間もかかります。そのため、まずはできる限り寿命を延ばすための保守を考えるようにしてください。