2019.12.10.Tue

温度管理システムのアラート機能で防げるトラブル

適切な温度管理・記録は、冷蔵庫内に保管された食材等の品質と安全性を保つのに不可欠です。しかし、何らかの異変で庫内温度が上昇したり、正常な温度測定ができなくなったりひた場合は、早急な対応が求められます。 自動温度管理・記録システムに備わっているアラート機能は、こうした異変を検知するのに役立ちます。今回は、アラート機能が防げるトラブルの例をご紹介します。

機器の不具合・故障

冷蔵庫内の温度上昇を招く要因としては、機器の不具合や故障が考えられます。たとえばコンプレッサーやファンなど、冷却に欠かせない部分に異常が発生した場合です。見ただけでは何が起こっているか分からないため、そのまま放置される可能性も少なくありません。
また、冷蔵庫の寿命、という線もあり得ます。またはパッキンなどの部品が経年劣化によって正しく機能しなくなれば、やはり庫内温度上昇につながるでしょう。この場合、早めにメーカーや業者の修理サポートを受けるべきです。
いずれのケースでも、重要となるのは早期発見です。アラートによって庫内温度上昇が判明すれば、被害を最小限にとどめながら、適切な対応を取れます。

人為的ミスによる温度上昇

冷蔵庫内で温度上昇が起こる原因は、機器の故障・不具合に限りません。たとえば扉を開けっ放しにしていたり、中途半端に閉めてしまったりという事態も想定されます。温かな外気が庫内へと入り込めば、当然温度上昇が起こるでしょう。そのほか、温度設定が不適切であったり、そもそも電源が抜けてしまったりという可能性もあります。
こうした人為的ミスも、アラート機能があれば早期に発見可能です。また、こうした事態への対策として、オペレーション改善にも取り組めるでしょう。どのタイミングでミスが起こったのかもデータを見れば一目瞭然。原因特定と再発防止に取り組めるため、より適切な温度管理につながります。

温度計測端末の故障・バッテリー切れ

冷蔵庫が正常稼働時であっても、温度の異常検知は起こり得ます。その要因のひとつが、温度計やロガーといった、温度計測機器の異常です。もちろん、これらの機器に故障があったとしても、庫内温度が正常であれば衛生的には問題ありません。しかし、計測が正しく行えていない状況は、衛生管理という側面から考えると大問題。早急な修理・交換が必要です。
アラート機能は、冷蔵庫以外の故障・不具合の発見にも役立ちます。システムに何らかの異常が起こっていることを知らせてくれるため、早急な対応につながるでしょう。なこ、こうした事態に備え、自動温度管理・記録システム導入の際は、サポート体制についても確認しておきましょう。

ネットワークエラー

たとえば有線式の温度ロガーの場合、従業員の足がコードに引っかかり、端末から抜けてしまうなどの事態が想定されます。当然、通信が行えなくなるため、その後の温度はサーバーへと送信されません。ある程度ロガーには残りますが、望ましい状況とは言えないでしょう。また、無線接続の場合も、混線などによってネットワークエラーが発生する可能性もあります。
アラート機能があれば、こうしたネットワークエラーもすぐに検知できるので安心です。なお、無線の場合は有線に比べて、電波環境などに起因するトラブルが起こりやすい傾向にあります。ワイヤレスの自動温度管理・記録システムを導入する際は、堅牢性や自動復旧技術なども選定基準のひとつに考えましょう。

工場や店舗全体の異変

工場や店舗全体に異変が起きた場合も、アラート機能があれば早急な対応が可能になります。たとえば停電が起こった場合。工場や店舗が稼動中・営業中であれば、従業員がすぐに気づいて何らかの対処ができます。しかし、休業日で従業員がひとりも出勤していないと、この事態に気づけないかもしれません。こういった際にも、システムのアラートで検知できることが望ましいでしょう。
なお、自動温度管理・記録システムがオンプレミスサーバーで運用されていると、システム全体がダウンしてしまう可能性があります。停電対策としてUPS(無停電電源装置) などを導入していれば問題ありませんが、そうでない限りは停電によってサーバーもダウンしてしまいます。一方、クラウド型の自動温度管理・記録システムはサーバが拠点とは別のところに設置されていますから、こうした心配は不用ですが、設置された機器への電源供給がダウンしないようUPSなどの対策にも気をつけましょう。

まとめ

このように、冷蔵庫の温度管理・記録にはさまざまなトラブルが想定されます。しかし、自動温度管理・記録システムのアラート機能があれば、早急な対応が実現できます。
当社が提供するクラウド型統合監視記録ソリューション「ACALA MESH」は、庫内温度の異常、ネットワークエラーなどの検知はもちろん、センサの電池残量の通知などにも対応しております。また、クラウド型サーバを用いた専用プラットフォームとなっておりますので、停電時などもゲートウェイ機器にUPSが導入されていればシステムは正常稼働します。安定性が高く、細かなアラート設定ができる自動温度管理・記録システムをお探しの方は、ぜひご検討ください。