2019.10.13.Sun

食中毒の約5割は飲食店で発生する!基本対策として取り組みたい自動温度管理・記録

飲食店にとって食中毒発生はあってはならない重大な事故です。近年は減少傾向にありますが、未だその発生件数は他所に比べて多いのが現状と言えます。そこで今回は、飲食店における食中毒発生の現状と、その基本対策として取り組みたい自動温度管理・記録について解説します。

食中毒にもっとも気をつけるべきは飲食店

厚生労働省発表の平成30年食中毒発生状況の報告によると、飲食店における食中毒発生件数は全体の54.3%にあたる722件。断トツの1位を記録しています。なお、次点は「家庭」であるものの、割合は163件(12.3%)。非常に大きな差が開いていることが見て取れます。
 

 
なお、上記はあくまで発生件数をベースにした統計です。ここに、「患者数が2人以上」という条件を付け足すと、なんと飲食店における事故発生の割合は72.1%にもなります。
 

 
このように、飲食店では数多くの食中毒事件が発生しており、しかもその多くが複数人におよぶ被害発生につながっています。
具体的な事例も見てみましょう。たとえば2019年だと、北海道のレストランで集団食中毒が発生しました。これにより、112人に発熱や下痢、嘔吐などの症状が出ています。また、和歌山県の飲食店で仕出し弁当を食べた25人に嘔吐や下痢の症状がみられるなどの事件が発生しています。いずれも、患者の一部からはノロウイルスが検出されている。
北海道のレストランや和歌山県の飲食店は、事件後に営業停止を余儀なくされます。経営に大きな打撃が加えられたことは想像に難くありません。

飲食店で食中毒が発生する要因例

次に、飲食店で起こりうる食中毒の発生要因をいくつか見ていきましょう。以下のような状況は食品事故のリスクを高めます。早急な対策が必要です。
 
● 従業員の衛生管理
従業員が健康で、かつ衛生面に注意し業務に臨むことは飲食店において大前提です。しかし、体調不良にもかかわらずそれを隠して出勤したり、手洗いが不足したまま厨房に立ったりすることで、食中毒のリスクが高まります。
 
● 食品の加熱不足
食品の加熱状態は見た目では分かりません。そのため、内部に存在する微生物などの加熱殺菌がなされているかを調べるために、食品の中心温度の計測が行われます。この手順が守られていないと加熱不足が発生する可能性があります。
 
● 不衛生・散らかった施設設備
施設や設備が汚れると、そこに微生物などが発生。調理中に食品へと付着する可能性があります。また、整理整頓されていない棚から異物が落下するケースもあり、料理への混入につながります。
 
● 温度管理の不備
繁忙のため冷蔵・冷凍庫の温度チェックが定期的に行われておらず、設備の故障に気付かなかった、というケース。庫内に貯蔵された食品が不適正な温度で放置されてしまうため、菌などが増殖し食中毒の原因になります。

食中毒防止に向けた衛生管理は「見える化」が重要

このように、飲食店ではさまざまな要因によって食中毒が発生します。この対策として有効なのが衛生管理の「見える化」です。以下は、そのおおまかな手順です。
1. 衛生管理計画の作成
2. 衛生管理計画の実施
3. 実行された衛生管理の記録・確認
衛生管理計画では、製造過程で何に気をつけるかを明文化します。そして実施に移す際には、その手順に従うことが大切です。また、実行した行程はすべて記録し、適宜見直すことが「見える化」の第一歩です。

HACCPの制度化!すべての食品事業者が要対応に

平成30年に改正された食品衛生法では、原則としてすべての食品事業者が「HACCPに沿った衛生管理」を求められます。ただし、中小規模の飲食店の場合は「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の手引」に基づくことで対応したと見なされる予定です。
上述した衛生管理の「見える化」は、大まかではあるものの「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」です。制度への対応はもちろん、食中毒防止のためにしっかりと取り組みましょう。

自動温度管理・記録システム導入は手軽で効果的な対策

従業員の衛生管理や施設設備の清掃・メンテナンス、食品の加熱温度確認を実施するには、教育とマニュアルの整備が必要です。それに伴う設備も準備しなくてはなりません。また、実施にあたっては従業員の負担も増えてしまいます。しかし、飲食店での食中毒発生が多いという事実を受け止めるのであれば、確実に対応していかなくてはならない事案と言えるでしょう。
一方、温度管理は重要度が高い反面、オートメーション化が進んでいる分野です。自動温度管理・記録システムの導入は厨房の衛生管理徹底につながるだけでなく、従業員の負担を軽減しながら問題を解決するのに有効です。

ACALA MESHなら初期費用ゼロ、手間なしで導入可能

当社のクラウド型温度監視記録ソリューション「ACALA MESH」は、導入ハードルが低く、運用の手間も省けるように設計された自動温度管理・記録システムです。
面倒なシステム構築などは一切不要。機器一式が到着したその日から、自動温度管理・記録をはじめられます。また、料金が月額のサービス利用料のみとなり、初期費用はかかりません。これから自動温度管理・記録システムを導入しようとお考えの方に最適なソリューションとなっておりますので、ぜひ一度ご検討ください。

まとめ

飲食店における食中毒発生は、事業にダメージを与える重大な問題です。この解決のためには衛生管理の「見える化」が必要であり、その道筋を示すものこそが「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の手引」とも言えます。
とは言え、HACCP対応に対して高いハードルを感じている方も多いでしょう。その際には、はじめに自動温度管理・記録システムの導入からスタートすることがおすすめです。