芯温(中心温度)の計測記録はシステム管理の時代
食品の製造工程において、芯温の計測記録は危害を管理するのに重要な役割があります。しかし、紙に手書きといった運用方法の場合は、さまざまな問題が想定されるでしょう。より手軽で確実な方法を選ぶなら、芯温の記録・管理はシステム化がおすすめです。
芯温(中心温度)の記録は紙だと面倒
食品製造のとくに加熱調理工程では、食品が規定温度になるまで熱されているかの確認が必要です。ここで行われるのが芯温計測ですが、計測結果は必ず記録しなくてはなりません。
一方、調理・計測・記録といった一連の工程は現場のスタッフにとって煩雑な作業となる場合もあります。結果、必要な計測がなされていかなったり、誤った温度記録が記されてしまったりする可能性もあるでしょう。
とくに記録媒体が紙の場合は、以下のような問題が考えられます。
記録用紙が調理の邪魔になる
測定した芯温を記録する用紙は、バインダーなどに挟まれて管理されるケースも少なくありません。この場合、まずは持ち歩きに不便であることが考えられます。常に手で持っているわけにもいきませんので、都度取りに行ったり、壁等に掛けてあるとこまで出向き記載をしたりといった手間が発生します。
筆記用具への持ち替えが手間になる
紙への記録は筆記用具を使った手書きが基本です。そのため、筆記用具への持ち替えが必ず発生します。この度にゴム手袋を脱いだり、濡れた手を拭いたりといった手間が発生するのは効率的とは言えません。さらに、記録のために筆記用具や用紙を触るため、その都度手指の消毒が必要にもなるでしょう。
とくに、「加熱→冷却→再加熱」といった連続調理工程の場合には、一連の作業をスピーディーにこなす必要もあるため、記録を行う暇がないという問題も発生します。計測した数値を記憶し、後から紙へ記入するのは、誤記入の原因にもなるので避けるべきです。
時間に追われているとミスも発生
人の手による記録には、ヒューマンエラーのリスクが必ず潜んでいます。たとえばレストランなどの飲食店の場合、オーダーが立て込んだりすれば、調理に追われて記録をおざなりにしてしまうことも。さらには、誤記入などの可能性も高まります。
また、計測・記録が煩雑なことが原因で、芯温チェック自体を省略してしまうのはもっとも避けなくてはならない事象です。現場スタッフができるだけ手軽に測定・記録を行える環境を作らなくてはなりません。
異常温度を見逃す可能性あり
記録用紙は、異常温度を作業者に伝えるツールにもなります。書き込みの際に基準値を合わせてチェックできれば、その都度適正な温度かどうか確認できるでしょう。ただし、紙に書かれた数値というのは視認性が高いとは言えません。状況によっては見逃してしまう可能性もあるでしょう。
また、スタッフのなかには自分の記憶で判断をするようなケースもあるかもしれません。確かにこれはスピーディーで効率的かもしれませんが、人間である以上、記憶違いなどは十分起こり得ます。このようなミスが発生する可能性もあるため、都度基準値の確認が必要です。
異物混入リスクなどにも注意
厨房に食品以外の物を持ち込むこと自体が、基本的にはリスクと言えます。たとえば用紙の端切れが料理に入らないとも限りません。安全に配慮するのであれば、何らかの対策が必要です。
記録用紙を破損・紛失するおそれも
加熱調理の近くは油を扱うことも多く、調理中に記録を行うと用紙が油まみれになることもあるでしょう。汚れた記録用紙をファイリングするのは決して気持ちの良いものではありませんし、今後の管理も大変になります。
また、濡らしてしまったり燃やしてしまったりする可能性も考えられます。最悪の場合、誤って破棄してしまうケースも。紙という物理媒体では、こうした問題の解決は難しいかもしれません。
芯温(中心温度)の記録・管理の問題はACALA FTで解決
前項のとおり、紙を用いた温度管理・記録にはさまざまな問題が発生する可能性があります。この課題を解決できるのが、当社がご提供する中心温度測定記録システム「ACALA FT」です。
データによる記録でヒューマンエラーを解消
ACALA FTで採用している芯温計はデジタル方式です。記録したデータはクラウドサーバに保管されるため、紙の用紙のように破損・紛失のリスクが低く、書き間違いや不正も発生しません。また、誰がいつ何を測り、結果が何℃だったかも一目瞭然となるため、管理の手間が減ります。
NFC通信機能で記録を簡単に
ACALA FTの芯温計は、NFC通信により計測した温度をデータ読み取り端末(Androidスマホ)に転送する仕組みを採用しています。記録がより手軽かつスピーディーになるため、作業効率向上にもつながります。
なお、混信の多いBluetoothなどに比べてNFCは信頼性が高く、「データが転送されていなかった」などのトラブルも起こりにくいのが特徴です。現場のスタッフとしても、転送に時間がかかったり失敗したりするシステムは使いにくいもの。そうしたストレスがかからない点も、ACALA FTの強みです。
連続調理工程の記録にも対応
スープやカレー、ソースの製造工程によく見られる「加熱→冷却→再加熱」といった連続調理工程の記録が可能です。作業を進めながら計測を行い、最終的に端末へとデータを送信する仕組みとなるため、都度記録を行わなくて済み、作業効率が高まります。
温度異常時にはアラート発報
アプリ内には基準範囲外の温度が転送された際に、温度異常を検知して知らせてくれる機能が搭載されています。加熱不足などが発生した際に画面上で指示が出るため気付きやすく、管理性の向上につながります。とくに、これまでの芯温判断を記憶に頼っていたような場合には非常に有効と言えるでしょう。
シンプルな端末で使い勝手も良好
ACALA FTの芯温計は使い勝手の良いハンディタイプです。軽量60gなので取り回しが良く、耐衝撃構造なので壊れにくいのが特徴。水回りでの使用を想定したIP67相当の防水性もポイントです。また、測温部はφ1.6mmの細さで、測定時の煮崩れを回避できます。その他にも、電池寿命は1日2時間利用で2年、オートパワーオフ機能もついているため長時間の作業にも向いています。
ACALA FTを使った芯温(中心温度)の記録・管理の流れ
実際に、ACALA FTを使って芯温を測定し、そのデータを記録・管理する流れについて見ていきましょう。
STEP1.調理食品の芯温を測定
まずは対象の芯温を測定します。詳しい測定方法は「HACCP対応に必須の芯温(中心温度)計測の注意点&流れ」をご覧ください。
STEP2.データ読み取り端末にデータを転送
測定が完了したら、データ読み取り端末のアプリを開き、測定した商品を選択後、芯温計をかざします。Suicaなどの交通系ICカードを改札にかざすときのようなイメージです。
STEP3.管理責任者がクラウド上で確認
測定されたデータはクラウドサーバに転送され、蓄積されます。管理責任者はリアルタイムにこのデータをプラットフォーム上で確認でき、後から過去分と合わせた解析も可能です。
まとめ
手順を見ていただければ分かるとおり、ACALA FTは紙の用紙に比べて手軽で確実な芯温即的・記録が可能となります。その後の管理・分析等にも役立つため、芯温測定・記録をシステム化したい方におすすめです。