自動温度管理・記録システムのトラブルや不具合への対応
食品工場や厨房などで活用が進む自動温度管理・記録システム。しかし、実際に導入しようと考えた際には、起こりえる不具合などが懸念材料になることも多いでしょう。そこで今回は、システムによくあるトラブルと、その対処法についてご紹介します。
自動温度管理・記録システムで起こり得る不具合とは?
自動温度・管理システムにはさまざまなタイプが存在しており、起こりえる不具合にも違いがあります。ただし、構造上、ある程度予測ができる不具合も存在します。
1.断線などの配線トラブル
まずは物理的な障害を疑うことが大切です。自動温度管理・記録システムには以下のような機器が用いられています。
- 温度ロガー
- ルーターやスイッチ
- ゲートウェイ
- サーバー など
このなかで起こりやすいのが配線トラブルです。たとえば温度ロガーから延びているケーブルに誰かが躓き、いずれかの機器から抜けてしまったなどの事態はよくある事故と言えるでしょう。この場合は、抜けてしまった箇所を特定し、再度接続し直せばたいていの場合問題ありません。
一方、ケーブルが断線しているようなケースも考えられます。この場合は、ケーブルが折れ曲がっている部分や、物の下に挟まれているようなケースを想定して原因を探ります。断線箇所が確定した後は、断線部分を補修するか、新しいケーブルに交換する等の対応が必要です。
そのほか、端末のケーブル差し込み口などが経年劣化によって接触不良を起こしている可能性も考えられます。いずれの場合も、まずは何が原因でデータが通信できなくなっているかを確かめること必要があります。
2.混信などの無線トラブル
無線温度ロガーなどを使用している場合や、ネットワーク機器を無線LANで接続している場合は、混信などのトラブルに注意する必要がります。
混信とは、無線機器等が送受信している電波が同一周波数や隣接周波数の電波に接触し、電波が入り交じって正常な動きをしない状態を指します。混信が発生すると、通信速度の低下や接続が不安定となり、計測データの記録が行えなくなるおそれがあります。
混信が発生した場合には、送受信する電波のチャンネルや周波数を変更するといった対策が一般的です。もしくは、干渉する機器同士の距離を離すといった方法も考えられます。
たたし、いずれの方法も根本解決を目指すには専門的な知識が必要です。また、工場などの場合は簡単にレイアウトを変更するわけにもいきませんから、問題解決への難易度は高くなります。
3.ロガーの電池切れ
シンプルでありながらも頻発する可能性があるのが、ロガーの電池切れです。
たとえば冷蔵庫などに設置する温度ロガーは、直接電源を取ることが難しい機器のひとつです。この場合、筐体内外のバッテリーや電池を使って電力を確保することになりますが、蓄電であるため使用を続ければ必ず電池切れが発生します。
この場合の解決方法は、ロガーの電池を交換するか、ロガー自体を交換するかの2つです。いずれも手段としてはそこまで難しいものではありませんが、電池切れの期間は温度測定・記録が行われないため、食品事故等のリスクが高まります。
4.サーバーの故障やソフトウェアの不具合
サーバーやソフトウェアに問題が発生した場合には、前項のように簡単な対処では復帰が難しい可能性があります。基本的にはプロバイダへ問い合わせを行い、修理等をしなくてはなりません。
また、自社でサーバーやソフトウェアを開発・運用している場合には、スタッフによる保守が必要になります。高い技術力があれば問題ありませんが、そこまで詳しい知識を持たないスタッフが対応した場合には、解決までに長い時間と労力がかかる可能性も考えられるでしょう。
トラブルや不具合が発生した際の対処法は?
前述のトラブルのうち、特に深刻な問題となるのがサーバーの故障やソフトウェアの不具合です。こうした事態に遭遇した際の対処法を、食品工場を例にして考えてみましょう。
1.原因の特定
まずはトラブルが発生している原因の特定が先決です。
障害発生箇所を確認し、何が起こっているかを明確にします。また、トラブルの発生が別の部署等に影響を及ぼすのであれば、その周知も忘れてはいけません。
その後、上流に向けて配線や機器をチェックしていき、原因を切り分けます。可能であれば、解決までにどの程度の時間がかかるかを予想し、そのことを報告しましょう。
2.一時的な対処
原因の特定が終わったら、次は一時的な対処です。工場が稼働している以上、障害をそのまま放置することはできません。騙し騙しの状態で構わないので、何らかの対策を取ることに優先順位を置いてください。一時的にトラブルを解消し、工場の稼働ができる状態まで対応を続けましょう。
3.プロバイダへの問い合わせ
リソースがあるなら、トラブル対処に当たるスタッフとは別のスタッフがシステムの提供元へ問い合わせを行います。現在発生している事象等、状況について詳しく伝えリアクションを待ちましょう。
なお、トラブル対応できる人員が少ない場合は、一時的な対処を先に行う必要があります。対応完了後に、落ち着いてプロバイダへの問い合わせを実施してください。
4.検証・根本解決
プロバイダからの指示等によってトラブルが解消できた後は、再発防止に向けた検証と根本解決を図ります。
なぜトラブルが発生したのかを明らかにした上で、次に同じ障害が発生しないよう機器の補修やリプレース、運用の改善などを検討してください。
トラブルに強い!ACALAが選ばれている理由
最後に、当社がご提供するACALA MESHについてご紹介します。本システムは、お客様にご満足のいただけるサービスをご提供するために、以下のような技術・仕組みで、トラブルを防止します。
断線等が発生しにくい無線システム
ACALA MESHは無線温度ロガーによるデータ通信を行うシステムです。自由なレイアウトを行えるだけでなく、断線などのトラブルも発生しません。人の動きが多く、設備も多い食品工場などに最適な方式です。
通信障害を防ぐメッシュネットーワーク
ACALA MESHは軍事テクノロジー派生のメッシュネットーワーク技術を採用しています。網型の接続トポロジーであるメッシュは自動的に行われるため、通信障害が発生した場合にも自己修復が可能。通信を高い確率で継続します。
また、時間軸に沿って使用周波数が一定のルールで変更される周波数ホッピングも、耐障害性・信頼性を高めている理由のひとつです。混信や傍受を防止しつながら、交信の成功率を高めます。
ロングバッテリーと定期的な無償交換
ACALA MESHがご提供する温度ロガーは、電池切れの問題を精密時刻同期の技術で解消しています。通常稼働を精密な時刻の同期によって可能とし、通信をしない時間は省電力モードへと自動で切り替わることでロングバッテリーを実現。
電池寿命は5年設計と長く、実際の電池消耗に合わせて2-3年に1回程度の頻度で温度ロガー自体が無償交換されます。温度ロガーの不具合などで突然電池切れとなった場合も、速やかに無償交換されるため、お客様側で電池交換をしたり、電池の残量を気にする手間はありません。
クラウドサーバによる保守・運用
ACALA MESHのサーバーはクラウドベースであり、当社が保守・運用を行っております。お客様がメンテナンス等で手を動かす必要はありません。万が一トラブルが発生した場合には、当社が責任を持って事態の収束に着手します。
まとめ
自動温度管理・記録システムを選ぶ際には、機能はもちろん、トラブルを想定した判断が重要です。比較をする際には、どの程度までリスク管理が行われているか、仕組み上トラブルが起こりにくいようなものを選ぶようにしましょう。