2024.06.05.Wed

業務用冷蔵庫の買い替えにおけるポイントは?

「業務用冷蔵庫の調子が悪い」と感じた際には、適宜メンテナンスやメーカーへの修理が必要になります。しかし、業務に支障が出るほどの不調ともなれば、買い替えも検討しなくてはなりません。そこで今回は、業務用冷蔵庫の買い替えタイミングや、購入時のポイント、寿命を延ばすための方法について解説します。

業務用冷蔵庫を買い替えるタイミングは?

業務用冷蔵庫は故障しない限り買い替えない、というのが食品製造業においては通例です。しかし、以下のような場合は買い替えの検討タイミングと言えるでしょう。

冷蔵効果の低下

冷蔵庫は長年の使用により冷却効率が低下する場合があります。万が一、この状態で使用を続けていると、食品の腐敗につながる可能性も。その食材を使ったことで食品事故などが起これば、営業停止などのリスクにもつながります。

冷蔵庫の劣化は徐々に進むため、気付かないこともあります。定期的に温度をチェックし、劣化の兆候に注意しましょう。

事業拡大や店舗の移転

店舗の拡大や移転に伴って、冷蔵庫のサイズや性能も見直す機会が訪れた際は、買い替えのタイミングです。店舗の規模が大きくなり、保存する食品の量も多くなる場合、よりサイズの大きな冷蔵庫が必要になります。こうした際には、状態の良い中古の冷蔵庫を利用し、現在の冷蔵庫を売却することで、コストを最小限に抑えるといった方法がおすすめです。

ランニングコストの見直し

古い冷蔵庫は最新モデルに比べて消費電力が大きい傾向にあります。電気代の節約のためには、新しい冷蔵庫への買い替えが有効です。

買い替えとなると初期費用はかかりますが、電気代の節約により長期的にみれば経済的でもあります。また、古い冷蔵庫を値段が付く時点で売却しておけば、その資金を新しい冷蔵庫の購入に充てられます。

業務用冷蔵庫の買い替えで見るべきポイント

 

次に、業務用冷蔵庫を買い替える際にチェックしておきたいポイントについて解説します。

適切な容量のものを選択

大前提として、設置スペースに収まるサイズを選ばなくてはなりません。大容量が必要だからと大きいものを購入しても、設置できなければ意味がありません。

その上で、容量を選択します。冷蔵庫がいつも満杯であれば、より大きな容量のモデルが必要です。一方、そこまで詰まっていないのであれば、現在よりも小さいモデルでもよいでしょう。

搬入経路の確認

冷蔵庫のサイズを選ぶ際には、搬入口や通路の幅、天井の高さ、段差など、細部にわたるチェックが必要になります。設置場所には置けても、入り口や階段、窓から搬入できない場合があるからです。

なお、通路の幅が冷蔵庫のサイズにぴったりだと、搬入作業に支障をきたす恐れがあります。冷蔵庫の搬入は通常、複数人で行われるため、作業スペースに余裕を持たせることが重要です。

そのほか、搬入経路に障害物がないか事前に確認し、トラブルを避けることも重要です。ドアのサイズや通路のカーブなど、細かい部分のチェックを怠らないようにしましょう。

とくに新規開業・移転時には配慮が必要です。図面を見ておくだけでなく、実際に店舗に足を運び、搬入口から設置場所までどのような状況かを確認しておいてください。

開け閉めの回数から考える

厨房など、冷蔵庫のドアを何度も開け閉めするような環境では、複数のドアがあるタイプを選ぶのがおすすめです。たとえば4ドアタイプで、かつ観音開きタイプは間口が広く、大きな食材の出し入れがしやすくなります。他の厨房機器の配置を考える際も、4ドアタイプであれば自由が利きます。ただし、厨房内の動線によっては片側開きの方が便利な場合もあるため、レイアウトを確認しましょう。

メンテナンス性をチェック

冷蔵庫には定期的なメンテナンスが不可欠です。庫内の清掃や付属物のケアは、食品の安全性を保ち、冷蔵庫の性能を長期間維持するためにも重要です。

そのため、冷蔵庫選びでは、庫内や付属物の掃除やケアがしやすいものを選びましょう。日常の作業負担を軽減し、衛生的な環境を維持する上で役立ちます。

なお、シンプルな構造の冷蔵庫は、メンテナンスがしやすく、トラブルが発生した際にも修理や対応が容易になります。複雑な機能や構造は、メンテナンスの難易度を高める可能性があることにご留意ください。

省エネ性能の有無

業務用冷蔵庫は常時稼働ということもあり、エネルギー消費が大きい機器のひとつです。そのため、省エネ性能の高い冷蔵庫を選ぶことは、店舗の経営における電気代の削減という点で重要になります。具体的には、以下のような機能の有無を確認しましょう。

 

  • エネルギー効率の最適化:インバーター制御機能が搭載されると、ドアの開け閉めの頻度に応じて圧縮機の回転数が調整されます。これにより、無駄な電力消費を削減します。
  • 自動温度調整: 開け閉めが少ない時は電力消費を抑え、多い時には速やかに庫内温度を回復させることで、冷蔵庫内の食材を最適な温度で保持します。

 

省エネ機能が高い冷蔵庫を選ぶことは、長期的なコスト削減に寄与します。初期投資が高くても、電気代の節約効果は長期間にわたり経済的な利益をもたらすでしょう。また、環境への配慮という観点からも、省エネ型の冷蔵庫の利用は重要です。

故障時の対応を確認

中古品の最大のリスクは、故障やトラブルが発生した場合の対処方法です。そのため、業務用冷蔵庫の購入に際しては、故障時の対応を十分に考慮する必要があります。以下の点に注意しましょう。

 

  • メーカー保証の有無: 多くの中古冷蔵庫はメーカー保証の期限が切れていることが一般的です。故障時には、メーカーによる修理や対応が困難になる可能性があります。
  • 修理コストの検討:中古の冷蔵庫が故障した場合、修理にかかるコストが新品の再購入に匹敵するか、それ以上になるケースもあり得ます。
  • 販売店のサポート体制の確認:販売店によっては、修理サービスを提供している場合があります。購入前に確認しましょう。
  • メーカーとの関係: 販売店がメーカーと連携している場合、故障時にメーカーに修理を依頼することが可能な場合もあります。購入前にこの点を確認しておくと、後でのトラブルを避けることができます。

買い替えた業務用冷蔵庫を長持ちさせるためのコツ

業務用冷蔵庫は高価であり、簡単に買い替えることはできません。そのため、購入後はできる限り寿命を延ばせるような運用に努める必要があります。

この際、ポイントとなるのが「予知保全(予兆保全)」です。故障の兆しを発見次第、必要に応じたメンテナンスを行うことが重要です。定められた使用回数や時間に基づいてメンテナンスを行うといった手法は、適切なタイミングの見極めが難しく、コストもかさみます。これに対し、予知保全は故障の前兆を把握し、ダウンタイムの低減や生産性の向上を実現します。

なお、現在使用している業務用冷蔵庫にクリティカルな故障が発生していないのであれば、今の段階からメンテナンスを行い、今後に向けた予知保全を行うことで問題が解決する可能性も十分にあり得ます。

冷蔵庫の寿命を延ばすACALA

冷蔵庫の予知保全を行う具体的な手法としては、庫内温度のリアルタイム監視が挙げられます。冷蔵庫がどのような状況であるかを常に把握し、異常を検知した際、すぐに対応を行うことが重要です。

そこでおすすめなのが、当社が提供する自動温度管理システム「ACALA」です。温度ロガーから取得した連続データを、クラウド型プラットフォーム上で監視することで、リアルタイムな温度管理が実現。人では分からない僅かな温度上昇の兆候も、一目瞭然になります。結果として、経年的なガス抜け、配管のピンホール、パッキンの硬化といった不具合の発見にもつながります。

また、異常を検知した際には、アラートによって管理者に対し通知が行われるため、速やかな修理にもつながります。

庫内温度を正常に保つことは、食品製造業において不可欠な取り組みです。同時に、業務用冷蔵庫の寿命延長にもつながります。冷蔵・冷凍庫の温度管理をお考えであれば、ぜひACALAをご検討ください。

まとめ

業務用冷蔵庫を運用する際には、第一に適切なメンテナンスを行うことが重要です。そのためには、不調の兆しを見逃さない仕組みが求められます。その上で、修理が難しい故障などが発生している場合には、買い替えを検討するのが経済的にも正しい選択と言えるでしょう。今回ご紹介したポイントを踏まえ、適切な運用を心がけてください。