2024.10.14.Mon

業務用冷蔵庫が冷えない理由は?

業務用冷蔵庫の庫内温度をチェックした際に、普段よりも温度が高くなってしまっていることはありませんか? たまたま扉の開け閉めを頻繁に行った後であればありえることですが、常に冷えないのであれば故障などの懸念も出てきます。そこで今回は、業務用冷蔵庫が冷えない理由についてご紹介します。

温度が下がらないときのチェックリスト

業務用冷蔵庫が冷えない際には、まず以下の点をチェックしてみましょう。

  • フィルターに目詰まりが起こっている
  • 冷蔵庫周辺に物が置かれている
  • 室温が上昇している
  • 庫内に霜が発生している
  • ガス漏れが発生している
  • パッキンが汚れている
  • そもそも電源が入っていない
  • 庫内に物を詰め込みすぎている
  • 扉が閉まっていない

原因1.フィルターに目詰まりが起こっている

フィルターは冷蔵庫の前面に設置されており、外部の空気を取り込む際にホコリや汚れを防ぐ役割を果たしています。しかし、このフィルターが目詰まりを起こすと、空気の流れが阻害され、冷却効率が低下します。結果として、冷蔵庫内部の温度が十分に下がらなくなります。

フィルターの目詰まりを防ぐためには、定期的な清掃が必要です。

1.フィルターの取り外し

フィルターは冷蔵庫の前面にあるため、簡単に取り外せます。取り外す際は、冷蔵庫の電源を切り、安全を確認するようにしてください。

2.清掃

フィルターをブラシやたわしで水洗いします。とくに油汚れが多い場合は、中性洗剤を使用して汚れをしっかりと落としてください。

3.乾燥

洗浄後、フィルターをしっかり乾かします。濡れたままフィルターを取り付けると、内部に水分が残り、カビやさらなる目詰まりの原因になる可能性があるので注意しましょう。

4.フィルターの取り付け

乾いたフィルターを元の位置に戻します。フィルターを外したまま使用すると、冷蔵庫内部にホコリが侵入し、冷却システムの故障の原因となるため注意してください。

原因2. 冷蔵庫周辺に物が置かれている

冷蔵庫周辺に物が置かれていると、冷蔵庫で発生する熱が籠もってしまい、庫内の温度上昇につながる可能性があるため注意が必要です。特に、フィルター部分を覆うように物を配置すると、空気の出入りが阻害されてしまい、正しく動作ができません。故障につながる可能性もあるため、注意しましょう。

また、冷蔵庫を熱源から離れた場所に設置することも重要です。たとえば厨房内で高温になる設備(フライヤーやガスコンロなど)の近くに冷蔵庫を設置するのは控えましょう。冷却効率低下の原因になり得ますし、よけいなパワーを使うため冷蔵庫の寿命にも関わります。

原因3.室温が上昇している

厨房全体で言うなら、室温の上昇も冷蔵庫が冷えない原因のひとつになりえます。とくに夏場はしっかりエアコンを稼働するなどして、高温状態を避けましょう。厨房を利用しない夜間の温度上昇が問題になるケースも稀にあります。また、繁忙のタイミングには火を多用する場面が増えます。季節にかかわらず厨房の温度が上がりやすくなるので、注意が必要です。

なお、どうしても厨房の温度が上がってしまうのであれば、前項でもご紹介したとおり配置を工夫することが重要です。冷蔵庫の周りに空間を空ければ空気が循環しやすくなるため、冷却効率を高められます。

原因4.庫内に霜が発生している

 

冷凍庫内に霜がつくと、冷風口がふさがれて冷えにくくなります。もしも発生を見つけたら、以下の手順で対処しましょう。

  1. 冷凍庫内の食材を全て取り出す
  2. 冷凍庫の電源を切り、霜を溶かす
  3. 霜が溶けたら、庫内をよく拭き取る

 

また、霜が付く原因には、以下のようなものがあります。

  • 扉の開閉回数や開けている時間が長い
  • 扉の隙間がある
  • 食材を詰め込みすぎている

普段から扉の開閉を最小限にし、冷凍庫内の整理整頓を心がけることで、霜の発生を抑えましょう。また、霜が頻繁につく場合は、霜取りセンサーやヒーターが故障している可能性があります。適宜修理を行うなどして対処しましょう。

原因5.ガス漏れが発生している

冷蔵庫は経年劣化や振動により、配管からガス(冷媒)漏れが発生する可能性があります。冷却効率の低下が起こり、冷蔵庫が正常に冷えなくなるため注意が必要です。

万が一ガス漏れがある場合は、必ずメーカーや専門業者に確認を依頼し、状況に応じて修理をお願いしましょう。なお、ガス漏れを放置すると大きな問題にもなるため、定期的な点検とメンテナンスを行ってください。

温度の自動記録システムを導入していると、人では気づきづらいガス漏れによる庫内温度の僅かな上昇でも検知することができます。

原因6.パッキンが汚れている

冷蔵庫のドア部分には、冷気の流出と外気の侵入を防ぐゴム製のパッキンが取り付けられています。この部分が劣化すると、密閉性が低下して冷蔵庫が冷えない原因になり得ます。剥がれ、歪みがないか定期的に点検し、問題があれば交換しましょう。

なお、汚れが付いているだけでもドアの締まりが悪くなります。冷気が庫内から逃げやすくなるため、定期的な清掃を心がけましょう。

原因7.そもそも電源が入っていない

冷蔵庫が冷えない意外な原因のひとつとして「電源が入っていなかった」という事態も考えられます。まずは以下の点をチェックしてみましょう。

  • コンセントが抜けていないか確認する
  • ブレーカーが落ちていないか確認する
  • コンセント自体に問題がないか確認する

電源が入っているなら庫内のランプが点いているはずです。上記を確認しても起動しないようなら、他のコンセントを使用するなどし、原因を切り分けましょう。

原因8.庫内に物を詰め込みすぎている

食品を詰め込みすぎると冷気が循環しづらくなり、冷蔵庫全体が冷えにくくなります。対策としては以下が挙げられます。

  • 容量を守る:冷蔵庫の容量は7割程度にとどめる
  • 隙間を作る:食品の間に適度な隙間を作り、冷気が循環しやすくする
  • 送風口を確保:送風口を塞がないように配置を工夫する

原因9.扉が閉まっていない

「扉がきちんと閉まっていなかった」というのも、よくある原因のひとつです。隙間ができれば冷気が逃げ、湿気が入り霜になる可能性も。

ただし、厨房が忙しい状態だと扉の閉め忘れに気づけない可能性もあります。こうした事態に対応するためには、自動温度管理システムなどの導入が効果的です。

業務用冷蔵庫の故障は早期発見が重要

業務用冷蔵庫が故障してしまうと、保存された食品が腐敗するなどして、事業に大きなマイナスを生みます。食品事故などが起これば、さらに大きな損失にもなり得るでしょう。

こうした事態を防ぐには、業務用冷蔵庫の故障や僅かな不具合を早期発見できる仕組みを導入することが大切です。

冷蔵庫の予防保全、予知保全はACALAで

当社がご提供する「ACALA」は、冷蔵庫などの機器や室温を自動測定・管理するクラウド型システムです。冷蔵庫の温度を連続データとして記録し、プラットフォーム上で履歴を確認することで、冷蔵庫が故障する前兆を発見できます。通常と異なる温度変化などがある場合は、機器の状態を確認したり、メンテナンスに出したりすることで故障の予防保全、予知保全ができるでしょう。また、オペレーションを変更するなど、庫内温度を保つための工夫にもつながります。

また、庫内温度が閾値を超えた場合には担当者へアラートの発報も可能です。扉の閉め忘れなどがあった場合にも、リアルタイムで異変に気づけます。

まとめ

業務用冷蔵庫が冷えないと、大きなトラブルに発展する可能性あります。保管されている食品の問題もありますし、修理コストなども考えなくてはなりません。早めの対策と防止をお考えであれば、ぜひ当社のACALA導入をご検討ください。