

工場・食品製造・厨房・ホテルでの自動化による労務軽減

人手不足や長時間労働などの労務環境をめぐる問題は、昨今あらゆる業界で共通の課題となっています。これらの課題を解決する方法のひとつは「自動化」です。本記事では、労務軽減がとくに求められる工場、食品製造業、厨房、ホテルにおいて自動化できる業務や、自動化の現状などについて解説します。
工場における業務の自動化
工場では産業用ロボットの活用により、重い荷物の運搬や同じ姿勢での単純作業、繊細な手作業について業務の自動化が進められています。
人の代わりにロボットが業務を担うことで、人手不足や長時間労働を解消できます。さらに、体に負担のかかる業務や長時間の集中を要する作業をロボットが代替することにより、従業員のケガや腰痛、眼精疲労などの健康問題を防止できる点もメリットです。
近年は、AIやIoTを活用した機械を導入する工場も増えています。これまで人が行っていた検査工程にAIカメラを導入すると、人手を削減できます。加えて、スピーディーで精度の高い検査が可能になるため、業務の効率化や製品品質の向上も期待できるでしょう。
IoTの活用によるメリットのひとつは、データ収集の効率化です。人がデータを収集する場合、抜け漏れや記録ミスが発生したり、データの記録に時間を取られて本来の業務が遂行できないなどの問題が起こります。しかしIoTを導入すれば、自動的にデータが記録されるため抜け漏れを防止でき、従業員は本来の業務に集中できます。
ロボットの導入を進めれば生産ライン全体の自動化も可能です。生産ラインの自動化は労務軽減に大きく寄与する一方で、ロボットの故障により生産ラインがストップするリスクも抱えることになります。
そのため、生産ラインの停止から迅速に復旧できる対策を用意しておくとともに、ロボットのメンテナンスに日々努めることが重要です。ロボットの保守においても、AIやIoTを活用すると人手を削減しながら的確なメンテナンスを行えます。また、遠隔監視システムを導入するとトラブルの素早い検知と対応が可能になるでしょう。
このように、工場を自動化することを「ファクトリーオートメーション」と呼びます。生産ラインをロボットで自動化し、工場全体を監視システムによりモニタリングすることで、労務環境も大きく改善します。まずは生産工程の一部にロボットを導入することから始めて、ノウハウを積み重ねながら自動化を進めましょう。
食品製造業における業務の自動化
食品製造業では、単純作業である食品の包装や体力が必要な運搬作業については自動化が進んでいます。しかし、食材の下処理や加工、検査などの食品を直接取り扱う作業は自動化がスムーズに進んでいないのが現状です。
食品製造業において機械による自動化が進んでいないのは、異物混入への懸念、取り扱う食品の多様さ、食品工場という環境が原因と考えられます。
食品工場は、食品への異物混入リスクをできる限り低下させることが最重要課題です。しかし機械を導入すると、機械部品の破損や塗装の剥がれ、潤滑剤の漏れなどによる異物混入リスクが高まってしまいます。
また、食品工場では野菜や果物、肉、魚など多種多様な食材を扱います。これらの食材は形や大きさが一定ではないため、機械で一律に処理するのが困難です。
食品工場では、季節により材料や製造する食品が変わります。生産ラインを自動化した場合、扱う食材や製品が変わる都度、生産ラインの洗浄や部品の交換、ロボットのプログラム修正が必要です。そのたびに生産ラインを止めなければならず、かえって生産効率が低下する可能性も考えられます。
加えて、食品工場は水蒸気が発生したり高温になったりするため、機械にも水濡れや高温に耐える性能が求められます。しかし、高性能な機械は価格も高く、導入に踏み切れない工場は少なくありません。
現在は、部品の交換により多様な食材に対応できるロボットや、食品工場の特殊環境にも耐えられる機械の開発が進んでおり、食品製造業においても自動化が徐々に進みつつあります。
厨房における業務の自動化
飲食店の厨房でも、ロボットにより自動化できる業務が多々あります。食材や調味料の計量、茹で・炒め・揚げなどの調理、盛り付け、食器の洗浄などの厨房業務を自動化できるロボットの開発が進められており、実際の現場にも徐々に導入されています。
現在、飲食業界で注目されているのが、人と協調して一緒に作業する「協働ロボット」です。炒める工程はロボットが担当して最後の盛り付けは人が行う、盛り付けとでき栄えのチェックは人が行い、その後で器にふたをする作業はロボットが担当する、といった形で協働ロボットは活用されます。
厨房に協働ロボットを導入すると人員の削減が可能になり、より少ない人手で店を回せるようになります。また、飲食店は長時間労働になりやすい傾向がありますが、協働ロボットを活用すると労働時間の問題も解消できるでしょう。さらに、人が調理すると味にばらつきが出る場合がありますが、調理作業をロボットに任せることで料理の品質の安定も期待できます。
ただし、厨房におけるロボットの活用が向いているのは、提供メニューや調理プロセスがある程度固定化されているチェーン店や専門店です。反対に、個人経営の小規模な飲食店はメニューが多様で提供する数も多くないため、ロボットの導入が難しいのが現状です。
現在は大手チェーン店を中心に、厨房へのロボットの導入が進んでいます。小規模な飲食店でも、食器の洗浄業務などをロボットに任せることは可能です。それぞれの飲食店に合う形で、ロボットの導入を進めるとよいでしょう。
ホテルにおける業務の自動化
ホテル業界は低賃金と長時間労働に加え、コロナ禍による市場の低迷で人材が流出し、人手不足が深刻な状況にあります。しかし、自動化できる業務が多いため、効果的に自動化を進めることで人手不足を解消できるでしょう。
ホテルで自動化が可能なのは、チェックイン・チェックアウト業務、予約・問い合わせ業務、清掃・配膳業務、清算や顧客情報などの管理業務など多岐にわたります。
業務を自動化する手段のひとつであるロボットは、ホテル業界でも活用可能です。具体的には、利用客を案内するロボット、ロビーや廊下など広い共用部を清掃するロボット、レストランにて料理の配膳や下膳を行うロボットなどがホテルで活躍するでしょう。
近年は海外からの旅行客が増加しており、多言語を話せる人材の需要が高まっていますが、雇用がスムーズに進んでいないのが現状です。そこで多言語対応可能なロボットを導入すれば、人手不足を解消しつつ利用客の満足度も高められます。
予約や問い合わせの対応、顧客情報の管理などをいまだに人の手で行っているホテルは少なくありません。ホテル管理システム(PMS)やサイトコントローラーなどのITシステムを導入し、これらの業務を自動化すれば、労働時間が削減されるうえに人為的ミスも防げます。
PMSとは予約や清算、客室の管理、顧客情報の管理などのフロント業務を一手に担う管理システムです。サイトコントローラーを導入すると、複数の予約サイトの一元管理が可能になります。ロボットやITシステムに任せられる業務は自動化し、従業員は人にしかできない接客業務に集中すれば、顧客満足度が高まり、リピート率の向上も期待できます。
まとめ
業務の自動化を進めれば、工場や食品製造業、厨房、ホテルなどで働く人々の労務軽減が可能になります。しかし、自動化に必要な機器の導入にはコストがかかり、専門知識も必要となるため、ハードルが高いと感じている企業は少なくないでしょう。
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