

ホテル業務を自動化して、従業員の労務軽減を目指そう

ホテル業界では、コロナ禍をきっかけに深刻な人手不足が問題となり、従業員の労務環境の悪化が懸念されています。ホテルで働く従業員の労務軽減を図るためには、業務の自動化が欠かせません。そこで本記事では、ホテルにおける業務の自動化について解説します。
ホテル業界の現状と課題
新型コロナウイルスの流行により、ホテル業界は大きな影響を受けました。しかし、感染症の流行の落ち着きとともに、ホテルの需要は着実に回復しています。
観光庁の「宿泊旅行統計調査」をもとに、コロナ禍の2021年と、感染症がある程度収束した2023年の宿泊者数を比較してみましょう。
延べ宿泊者数 | 2021年 | 2023年 |
日本人 | 3億1,345万人 | 4億9,972万人 |
外国人 | 432万人 | 1億1,775万人 |
上記から、宿泊業界全体の需要が持ち直してきていることが分かります。加えて、今後はインバウンドの増加に伴い、さらなる需要拡大が見込まれています。
一方で、コロナ禍による業界の落ち込みをきっかけに、人手不足が深刻化しているのもホテル業界の現状です。ホテル業界は回復傾向にあるものの、人材が戻らず、このままでは増加する需要に対応できない可能性があります。また、ホテル業界はいまだにアナログな仕事が多く、従業員1人にかかる業務負担が大きいことも課題となっています。
人手不足により拍車がかかっている長時間労働も、ホテル業界における課題のひとつです。このような厳しい労働環境が原因で、人手不足にもかかわらず離職が増加する「負の循環」に陥っているケースも少なくありません。
厚生労働省の「雇用動向調査結果の概要」によると、2023年の宿泊業(飲食サービス業含む)の入職率は32.6%とほかの業界よりも高い一方で、離職率も26.6%と高く、人材の定着が難しい現状が浮き彫りになっています。
ホテル業界の課題解決の鍵は「自動化」
ホテル業界における人手不足の問題を解決するためには、業務の取り組み方を見直し、労働環境を改善する必要があります。その手段のひとつが「業務の自動化」です。
業務の自動化とは、これまで人の手に頼っていた仕事を、ロボットやシステム、AIなどを活用して自動的に行うことを指します。業務の自動化を進めると、従業員の負担が軽減され、少ない人員でも効率的に仕事を回せるようになります。
仕事に余裕が生まれ、お客様対応などのより重要度が高い業務に集中できるようになることも、業務を自動化するメリットです。その結果、ホテルに対するお客様の評価が向上することが期待できます。また、労働環境の改善により従業員満足度が高まり、離職率の低下にもつながるでしょう。
ホテルで自動化できる業務
ここから、ホテルで自動化できる業務を紹介します。
予約・問い合わせ対応
予約の受付や管理には「サイトコントローラー」を導入するとよいでしょう。サイトコントローラーとは、複数の予約サイトの情報を一元管理できるシステムです。
ホテルでは、幅広くお客様を受け入れて売上をアップさせるために、複数の予約サイトを利用することが一般的です。しかし、予約サイトの数が増えれば管理も煩雑になり、オーバーブッキングなどのトラブルが起こる可能性も高まります。
しかし、サイトコントローラーを導入すると予約管理がスムーズになり、業務の効率化が実現します。人為的ミスによるトラブルも防止でき、予約データを分析して稼働率アップのための施策を立てることも可能です。
また、お客様からの問い合わせ対応も自動化できる業務のひとつです。電話に「自動応答システム」を導入し、簡単な受け答えを自動音声に任せることで、問い合わせ対応を効率化できます。インターネットで寄せられる問い合わせには、自動で返答する「チャットボット」で対応可能です。
問い合わせ対応にこれらのシステムを利用すると、従業員の業務負担が軽減されるだけでなく、お客様を待たせる時間が短縮されて顧客満足度の向上も期待できます。
チェックイン・チェックアウト
「セルフチェックインシステム」を導入すると、ホテルに欠かせないチェックイン・チェックアウト作業を自動化できます。このシステムでは、フロントに設置した端末を使い、お客様自身がチェックイン・チェックアウトを行います。カードキーや暗証番号を発行するシステムを利用すれば、部屋の鍵を受け渡す業務も発生しません。
セルフチェックインシステムは、フロント業務の効率化や人為的ミスの削減に役立ちます。さらに、多言語に対応したシステムを導入すると、海外からのお客様もスムーズに手続きできるようになります。外国語を話せるスタッフを配置する必要がなくなるため、人件費の削減にもつながるでしょう。
観光コンシェルジュ
お客様から、ホテル周辺の観光スポットや飲食店などについて尋ねられる場面は多くあります。しかし、従業員により情報に差があるため、提供するサービスの質を一定にすることはできません。また、地域の情報に詳しい従業員に業務が集中するケースも見られます。
観光案内の業務は、専用のロボットやタブレット端末を活用すると自動化が可能です。これにより、お客様へ常に最適な情報を提供できるだけでなく、一部の従業員に負担がかかることも防げます。さらに多言語に対応したものであれば、海外からのお客様にも満足してもらえるでしょう。
清掃・配膳
ロビーや廊下の清掃、ホテル内のレストランでの配膳は、ロボットにより自動化できます。
ホテルにおいて清掃業務は毎日欠かせないものですが、その分、従業員にかかる負担も大きくなります。ロビーや廊下などの共用スペースだけでも清掃を自動化できれば、労務負担を大きく軽減できるでしょう。さらに、人では取り除けない細かなほこりやカビ、ダニ、花粉まで除去できる清掃ロボットもあるため、人が行うよりも清潔になるメリットもあります。
レストランでの配膳もロボットで自動化すると、従業員の業務負担が抑えられます。少人数でも業務をスムーズに進められるようになるうえに、接客サービスなどのより重要な仕事に力を注げるようになるでしょう。
まとめ
人の手による仕事に頼ってきたホテルには、自動化できる業務が多数存在します。少しずつでも業務の自動化を進めることで、従業員の労務負担は確実に軽減され、人手不足の解消や離職率の低下につながるでしょう。
ホテルにおける業務の自動化は「ACALA MESH」の導入から始めることをおすすめします。「ACALA MESH」は温度・湿度を自動で計測するシステムであり、ホテルの厨房で欠かせない温度・湿度管理を自動化できます。
とくに、厨房の調理スタッフは労務負担が大きく、人手が不足しやすい職種です。そのため、厨房業務を自動化できるシステムを導入すると、従業員の労務軽減に大きな効果が見込めます。
「ACALA MESH」はレンタルなので初期費用を抑えて導入できるうえに、初期設定にも手間がかからず、IT知識に自信がない方でも問題なく利用できます。ホテルの厨房に「ACALA MESH」を導入し、従業員の労務軽減を目指しましょう。

