DIYはハードルが高い?自動温度記録・管理システム導入における課題
HACCP導入のためには、自動温度記録・管理システムの準備がおすすめです。この際、自社で独自にシステムを構築しようとお考えの方もいらっしゃるでしょう。こちらでは、自動温度記録・管理システム導入におけるいくつかの課題について解説します。
課題:センサー機器の選定
一口に温度センサーと言っても、用途に応じてさまざまな種類があります。自社にとって最適なセンサーを選定するには、その分野の専門知識が必要になるでしょう。また、無線接続の場合には、機器ごとの通信規格についても確認しなくてはなりません。このように、センサー機器選びひとつとっても、複数の専門的スキルが必要になります。
● 温度センサーの種類
以下は、産業で一般的に用いられている温度センサーの例です。種類が多いことに加え、用途もさまざま。選定するためには、それぞれの特性をよく理解しなくてはなりません。
- 熱電対
- 測温抵抗体
- サーミスター
- バイメタル
- 圧力温度計(熱膨張式温度計)
- 放射温度計
温度特性の異なる金属線の接続によって発生する電圧を利用した温度センサー。温度領域が広く、スピーディーな計測が特徴です。安価なため工業用の温度センサーとして広く利用されています。
温度変化に反応する金属の電気抵抗を利用した温度センサー。測定精度が高いことに加えて、高温の温度測定にも利用可能です。工業用精密温度測定などに用いられています。
温度によって変化する半導体の電気抵抗を利用した温度センサー。小型かつ廉価で、耐衝撃性や感度に優れます。主に常温付近での使用が想定される家電や自動車、オフィス機器に用いられています。
熱膨張率の違う金属板を2枚貼り合わせた温度センサー。温度変化によって起こる金属板の曲がり方の変化で計測を行います。構造がシンプルである分故障も起こりにくいため、工業用温度計としても用いられています。
温度変化によって膨張・収縮する気体や液体の原理を利用した温度センサー。電源不要で使用できるため安全性が高く、温度をモニターする際などに使われています。
測定対象から放射される赤外線量を計測することで温度測定を行うセンサー。非接触による使用が可能であるため、遠隔測定が必要な超高温の測定といったシチュエーションで活用されています。
● 無線端末の種類
ワイヤレス接続端末には、いくつかの異なる無線規格が存在します。ワイヤレスシステムを構築するには、この規格を統一するのが原則ですが、どれが最適解であるかは判断が難しいところ。なお、市販品でよく見られるロガーはWi-FiやBluetoothがほとんどです。そのほか、ZigBeeやSub-GHz、SigFox,LORA、EnOceanなどの規格がありますが、それぞれ特徴が異なるだけでなく、より専門的な知識も求められます。
課題:ネットワークの構築
次の課題はネットワークの構築です。知識はもちろん、コスト面についても頭を悩ませる問題が横たわります。
● ネットワーク構築には専門知識が必要
ワイヤレスシステムにはネットワークの構築が必須です。これは、パソコンにWi-Fiルーターを接続するといった単純なものではありません。IPアドレスやセキュリティの設定など、エンジニアが行うような専門的作業が必要です。その知識・スキルは一朝一夕で身に付くものではありません。
● 安心・安定のネットワーク構築はハードルが高い
なんとか無線ネットワークを構築できたとしても、安定性を維持するには別の技術が必要です。無線は物理的な距離や障害物などによって感度が低下するケースも少なくありません。連続データを確実に取得しなくてはならない温度記録・管理において、これは重大な問題です。
● 施工が必要な場合はコストも大きな問題
無線ネットワーク構築が困難な場合、有線ネットワークを構築するという方法もあります。しかし、ここで問題になるのがコストです。
有線LAN等を食品工場内で配線するのには、レイアウトに合わせた大規模な工事が必要になるでしょう。また、冷蔵庫の入れ替えといった差違には、再度施工が必要になるケースも考えられます。結果、かなりのコストがかかるでしょう。
加えて、有線ネットワークの場合には防水性の確保も難しくなります。食品工場にとって、これは大きな問題です。
課題:記録・管理プラットフォームの開発
端末とネットワークが揃ったとしても、それだけでは適切な記録・管理は行えません。ロガー等から取得できるのはあくまでも単体のデータです。そのままでは取り回しが悪く、データの一覧化や分析のためのプラットフォームが必要です。
しかし、自社にエンジニアやSE、PGが在籍していない場合は、プラットフォームをシステム会社へと外注する必要があります。ここでかかるイニシャルコストは莫大であり、多大な労力・時間もかかってしまいます。
課題:運用・保守のための人材確保・育成
独自システムで温度記録・管理を行う場合は、自社にシステムの運用・保守できる人材を確保しなくてはなりません。専任スタッフを雇用する場合には永続的なランニングコストがかかります。自社スタッフに業務を割り当てる手もありますが、育成にはかなりの時間がかかるでしょう。また、保守を外部に委託する選択肢もありますが、やはりコスト面が問題になります。
解決策:ACALAはセンサー機器・管理システム・サービスをワンストップでご提供
このように、自社だけの力でシステムを構築するには、いくつもの課題をクリアしなくてはなりません。一方、当社の温湿度統合監視記録ソリューション「ACALA」であれば、スピーディーかつ確実に自動温度記録・管理システムを導入いただけます。
初期費用はゼロで簡単設置、専門知識も不要。クラウド型のプラットフォームもご提供しますので、届いたその日から利用可能です。温度センサーも測定対象に応じて豊富な種類をご用意しておりますので、自社に最適な機器をお選びください。
まとめ
温度センサーを取り扱う業者から機器を購入したとしても、ネットワークの構築は自社で行う必要があります。サポートも受けられないので、保守・運用には多大な労力を要するでしょう。また、システム会社を利用したとしても、温度センサーは他社製品を購入しなくてはなりません。
その点、ACALAはすべてのサービスをオールインワンパッケージにてご提供しております。自動温度記録・管理システム導入をご検討の際は、ぜひ当社までご相談ください。