2024.10.21.Mon

【2024年版】飲食店が利用できる助成金・補助金まとめ

飲食店が利用できる助成金・補助金は多岐にわたります。国や地方自治体、民間団体が提供するさまざまな資金援助制度を理解し、自社のニーズに合わせて活用しましょう。今回は、2024年時点において、飲食店が利用できる各種助成金・補助金をご紹介します。

助成金・補助金の基礎知識

助成金と補助金は、どちらも国や自治体が実施する返済不要の資金援助制度です。一見類似しますが、いくつかの大きな違いがあります。

助成金は主に厚生労働省が管轄し、雇用促進や労働環境の改善を目的としています。予算の範囲内で条件を満たせば、比較的受給のハードルが低い制度です。

一方で補助金は、さまざまな省庁や地方自治体が管轄し、特定のプロジェクトまたは事業支援を目的としています。これには審査プロセスがあるため、助成金とは違って競争率が高いことで知られます。

助成金・補助金をうまく活用することで、事業の発展・拡大を進められるでしょう。各制度の特徴を理解し、自社の事業に合った資金援助を受けることが大切です。

助成金・補助金の種類と概要

ここからは、主な助成金・補助金の種類をご紹介します。国・自治体・民間団体において、どのような制度を実施しているのか確認しましょう。

国からの助成金

国の助成金・補助金は、飲食店の経営改善やIT化支援、店舗の改装などを対象としています。これらの制度は、中小企業や小規模事業者の支援を通じて、日本経済の活性化や雇用促進を目指しています。

代表的な制度としては、「事業再構築補助金」「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」などがあります。いずれも新分野展開や業態転換、生産性向上、販路開拓などの取り組みを支援するものです。

多くの場合、経済産業省や中小企業庁が所管しており、各地域の経済産業局や商工会議所が相談窓口となっています。

地方自治体からの助成金

地方自治体では、地域特性に応じた助成金・補助金を提供しています。具体的には、地域の課題解決や地方創生の促進を目的としており、各自治体の実情に合わせて設計されています。

たとえば、東京都が管轄する「創業助成金」は、都内で新たに事業を始める中小企業者に対して、最大300万円の助成金を交付しています。本制度は、創業時に必要となる初期費用の負担を軽減し、新たなビジネスの立ち上げを後押しするためのものです。創業者の資金面における不安を軽減し、より挑戦的な事業計画を立てられるように支援します。

こうした助成金は、自治体ごとに申請要件やサポート内容が異なるため、地元の商工会議所で詳細を確認することが大切です。

民間団体からの助成金

民間団体や財団法人も、多くの助成金・補助金を提供しています。いずれも公益性の高い事業や地域貢献を目的とすることが多く、各団体のWEBサイトや窓口で詳細を確認できます。

たとえば、「日本政策金融公庫」は、中小企業や小規模事業者向けの融資制度を実施。さらに「全国商工会連合会」は、小規模事業者向けの経営支援や補助金の情報提供を行っています。このように、全国の公益財団法人や社会福祉法人、NPO法人などが、特定の分野や助成金を提供しています。

飲食店におすすめの補助金・助成金

 

飲食店経営者にとって、補助金・助成金は経営改善や新規事業展開の大きな助けとなります。ここでは、飲食店におすすめの補助金・助成金制度について詳しくご紹介します。

持続化補助金

「持続化補助金」は、小規模事業者の販路開拓や業務効率化を支援する制度です。飲食店の場合、常時使用する従業員が5人以下であれば申請対象となります。新メニュー開発やチラシ作成、店舗改装など、幅広い用途に活用できる補助金です。

本制度の補助上限額は通常枠で50万円、特別枠で200万円、補助率は対象経費の2/3以内です。さらにインボイス発行事業者に転換した場合は、各補助金額に50万円が上乗せされます。

IT導入補助金

「IT導入補助金」は、飲食店のデジタル化を支援する制度です。主にPOSレジシステムやオーダーエントリーシステム、予約管理システムなどの導入費用が補助の対象となります。

この補助金を活用することで、業務効率化や顧客サービスの向上、データにもとづいた経営判断が可能になるでしょう。たとえば、POSレジシステムの導入によって売上管理や在庫管理が効率化され、経営の可視化が進みます。

「IT導入補助金」は「通常枠」と「インボイス枠」の2つに大別されます。「通常枠」は、一般的なITツールを用いて業務をデジタル化する際に申請できます。業務プロセスによって異なりますが、補助金の上限額は450万円、補助率は導入費用の1/2です。

一方の「インボイス枠」では、インボイス制度対応のために導入するITツールが対象です。補助金額および補助率が細分化されていますが、いずれも手厚い支援を受けられるのが特徴です。

店舗改装補助金

「店舗改装補助金」は、飲食店の魅力や集客力向上を目的とした制度で、内装工事や設備導入、外装工事などが補助の対象です。

その補助金額や補助率は自治体によって異なります。東京都の場合、補助金額は最大200万円まで、補助率は2/3以内です。なお、一部の自治体では、感染症対策のための改装費用も補助の対象としています。

店舗改装は見た目の変更だけでなく、業務効率化や新たなサービスを展開する機会になります。キッチンのレイアウト変更による調理効率の向上、テイクアウト専用カウンターの設置など、さまざまケースに活用できる補助金です。

地域別の助成金情報

以下、主要地域の助成金情報をまとめました。

 

・東京都

東京都では、飲食店向けに独自の補助金制度を設けています。特筆すべきは「インバウンド対応力強化支援補助金」でしょう。本制度では、外国人観光客の増加に対応するため、インバウンド対応の強化を目指す飲食店に対して上限300万円の補助を実施しています。主に多言語メニューの作成やキャッシュレス決済の導入などが対象です。

東京都は、中小企業向けの支援制度を豊富に用意しており、当然ですが飲食店も利用可能です。経営相談や専門家派遣など、金銭的支援以外のサービスも充実しているため、都内の飲食店経営者は積極的に活用することをおすすめします。

 

・大阪府

大阪府においても、飲食店を含む中小企業向けに多様な支援を行っています。一例として、「新事業展開テイクオフ支援補助金」は、既存事業とは異なる分野への進出など、既存事業の改善を図る際に使える制度です。上限100万円(対象経費総額の3/4)の補助が受けられるため、飲食店の新規事業展開や業態転換に活用できます。

さらに中小企業向けの融資制度も充実しています。「新型コロナウイルス感染症経営改善サポート資金」は、経営改善や事業再生に取り組む事業者を支援する制度です。本制度を活用することで、アフターコロナにおける飲食店の経営基盤強化を効果的に進められるでしょう。

 

・その他の地域

地域ごとの制度は頻繁に更新されます。そのため、地元の商工会議所や中小企業支援センターなどが発信する情報を小まめに確認しましょう。

余談ですが、観光庁が実施する「観光産業の実務人材確保・育成事業」も有用です。この制度は、観光産業における人材不足の解消と生産性向上を目的としており、飲食店も対象です。具体的には、求人活動や人材育成に関する費用の一部を補助するもので、最大100万円の支援を受けられます。

まとめ

助成金・補助金は、飲食店の経営改善や新規事業展開に活用できます。申請期間や条件を確認した上で、必要書類を揃えて申し込みましょう。なお、当社がご提供する温度管理システム「ACALA」の導入において、今回ご紹介した助成金・補助金を使える可能性があります。

「ACALA」は、クラウドベースの温湿度監視記録ソリューションです。初期費用不要で設置できるほか、24時間遠隔監視や異常時のアラート機能、自動レポート生成といった業務効率化に繋がるさまざまな機能を備えています。対象の助成金・補助金を活用できれば、コストを抑えて導入いただけます。ぜひ一度、システム詳細や導入事例をご確認ください。