2024.10.16.Wed

業務用冷蔵庫と家庭用冷蔵庫の違いは?飲食店が選ぶべき冷蔵庫の種類

家電量販店などで購入できる冷蔵庫。しかし、飲食店などの事業で利用するには、実はいくつかの懸念点があります。そこで今回は、業務用冷蔵庫と家庭用冷蔵庫の違いについて解説します。業務で利用する冷蔵庫の導入をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

使用環境

まずは大前提として、使用環境の違いについてまとめておきます。

業務用冷蔵庫は、飲食店や工場などで使用することを想定し製造されています。連続使用が前提で、かつランチ・ディナータイムであれば扉の開閉も多くなり、冷蔵庫にとっては過酷な環境だと言えるでしょう。

一方、家庭用冷蔵庫の場合は、あくまでも家庭のキッチン向け製品であり、業務用冷蔵庫のようにハードな使用は想定されていません。

サイズと容量・構造の違い

業務用冷蔵庫と家庭用冷蔵庫の最大の違いは容量と構造です。

これは用途から考えれば当然ですが、家族分の食材等のみを保存する家庭用に比べて、業務用冷蔵庫は大量の食材等を保管する必要があります。そのため、1,000L~1,600Lの容量があるものが一般的です。ちなみに、家庭用冷蔵庫は4人家族用で400~600Lですので、2~3倍程度の大きさがある計算になります。よほど小規模な飲食店でもない限り、事業用途であれば業務用冷蔵庫を選ぶのが無難でしょう。

また、構造にも大きな違いがあります。家庭用冷蔵庫は内ポケットなどが備えてられており、調味料や飲料を収納しやすくなっています。使い勝手が優先された造りと言えるでしょう。一方、業務用冷蔵庫にはこうした機構はほとんどありません。これは、シンプルな造りにすることで、段ボールのまま食材等を保管するなど、柔軟な使い方を想定しているからです。

また、後の項目にも関わりますが、扉ポケットがないのは耐久性を高めるという意味もあります。家庭用冷蔵庫に比べると業務用冷蔵庫は扉の開閉が頻繁になるため、余計な機構を除いているのです。なお、製氷室や野菜室といった追加機能がない点も、耐久性向上につながります。

素材と耐久性

 

家庭用冷蔵庫に比べて、業務用冷蔵庫は耐久性が高い素材などを採用する傾向にあります。

一般的な家庭用冷蔵庫は、軽量なプラスチックやガラスで造られています。これはコストダウンやデザインを重視しているためです。とはいえ、家庭内での利用であれば耐久性に問題はありません。

一方、事業用途の場合は扉の開閉回数も多く、衛生面についてもより慎重にならなくてはなりません。そのため、業務用冷蔵庫には抗菌性・強度に優れるステンレス素材が用いられるのが一般的です。なお、ステンレス自体は頑丈でありながらも軽量なので、扉の開け閉めも容易にできています。

また、前項でもご紹介したとおり、業務用冷蔵庫は構造がシンプルで部品数も少なく、寿命も家庭用冷蔵庫に比べて長い傾向にあります。そのため、年式が古くてもまだまだ使えるものも多く、中古市場においても高い需要があります。

冷却能力とスピード

家庭用冷蔵庫と業務用冷蔵庫は用途が異なるため、それに応じた冷却能力が備わっています。

前提として、家庭用冷蔵庫は消費電力を少なくできる設計を目指しています。家電のなかでも冷蔵庫は電気代が高く付く部類のため、省エネ性が重視されるのです。また、静音性についても配慮されており、冷却能力・スピードがその分落とされている傾向にあります。

一方、業務用冷蔵庫はいかにすばやく庫内の温度を下げるかが重要です。飲食店や食品工場では、庫内から食材を取り出したり、入荷した食材を収納したりと、頻繁に扉の開閉が行われます。扉が開く度に庫内の温度は上昇するので、その都度スピーディーに庫内を冷やさなくてはなりません。そのため、業務用冷蔵庫には常に強力な冷却能力が求められるのです。

寿命と買い替え頻度

どれだけ長く使用し続けられるかも、家庭用冷蔵庫と業務用冷蔵庫の大きな違いです。

一般的な家庭強冷蔵庫の寿命は約10年と言われています。それ以上を過ぎると、機能面だけでなく扉や庫内の設備に不具合や故障が起こる可能性があります。もちろん、使い方次第ではありますが、長くても15年に一度の買い替えが必要になるでしょう。

一方、業務用冷蔵庫には明確な寿命は定められていません。理由には以下のようなものがあります。

 

  • 使用環境によって劣化するスピードや故障箇所が大きく異なるため
  • 故障した場合もメーカーによる修理が可能
  • メーカーサポート期間が長い
  • 型式変更が家庭用冷蔵庫に比べると少ない

 

このように、業務用冷蔵庫は修理しながら使うことが前提となっているため、買い替えの頻度も少なくなります。なお、一般的な飲食店の場合、業務用冷蔵庫の減価償却は6年とされていますが、あくまでもこれは税法上の耐用年数です。

コストとメンテナンス

最後はコストとメンテナンスに関わる違いです。

家庭用冷蔵庫は容量や機能によって価格が大きく異なります。安いものなら、数万円、大型のものでも20万円程度が一般的です。業務用冷蔵庫に比べると比較的安価と言えるでしょう。

一方、業務用冷蔵庫はこれまで解説したとおり、ハードな使用に耐えられる強度や性能が求められます。容量も大きいため、定価が100万円を超えるものも少なくありません。もちろん、販売価格で見れば20~30万円のクラスも多いのですが、それでも家庭用冷蔵庫並の価格で購入するのは難しいでしょう。

また、業務用冷蔵庫はメンテナンス費がかかることも意識しなくてはなりません。メーカー修理になれば、コストもある程度の金額がかかります。そのため、より綿密なお手入れが必要です。

ただし、家庭用冷蔵庫の場合には買い替えとなるケースも多いため、どちらのメンテナンス費用が高く付くかは導入する製品によって異なります。コストで比べる場合には、どれくらいの期間使い続けるかを踏まえた判断が大切です。

業務用・家庭用にかかわらず冷蔵庫の管理は自動化が重要

上記でもご説明したとおり、業務用・家庭用冷蔵庫ともに故障すると決して安くない費用がかかります。トラブルは突然起こるもので、そのための予算を確保するのも難しいでしょう。また、飲食店や食品工場において冷蔵庫は必要不可欠ですから、まずは故障を防止することに重点を置きましょう。そこでおすすめしたいのが、当社がご提供する自動温度管理システム「ACALA」です。

本システムを導入すると、冷蔵庫内の温度を自動で測定・記録でき、専用のプラットフォームで管理できます。スタッフが目視で温度管理を行っている場合には、自動化によって業務負荷軽減が期待できます。

さらに、ACALAにはアラート発報機能が搭載されています。冷蔵庫内の温度に異変がある場合、担当者へメールによる報告が行われるため、故障などの発見に役立ちます。これらの機能を活用すれば、冷蔵庫の異変を早期に発見できるため、適切なメンテナンスが行えます。

まとめ

今回は業務用冷蔵庫と家庭用冷蔵庫の違いに着目して解説を行いました。長期的な利用を想定した場合、小規模な飲食店であっても業務用冷蔵庫を使っておくことが推奨されます。ただし、より小規模でかつ冷蔵庫の利用頻度が少ない場合には、家庭用でも十分というケースはあります。

それぞれの違いを知った上で、適切な選択をするようにしましょう。また、業務用・家庭用に限らず、冷蔵庫のメンテナンスと管理は不可欠です。とくに業務で利用するのであれば、ぜひ当社の「ACALA」をご活用ください。