厨房・食品工場における温度管理の管理人は?
厨房・食品工場で必須となる温度管理。しかし、この管理人に就く人は誰が適任なのでしょうか?今回は、温度に関わるマネジメント業務に関わる考え方についてご紹介します。
温度の管理人はスタッフ全員
結論からお伝えすると、温度管理の管理人というのは一人では務まりません。大切なのは、全社一丸となり、温度管理について向き合う必要があります。
一方、すべての人が同じ役割を持っているわけではありません。会社ごとに違いはありますが、一般的には以下のような割り振りになると考えられます。
【全体管理】マネージャー等の管理職
部門を取りまとめる管理職には、温度に関わる全体的な管理の役割があります。記録されたデータなどを参考に異常がないかを確認し、何かあれば対応策について検討しなくてはなりません。その意味では、厨房・食品工場における温度管理としてはもっとも重要な位置にいるとも言えるでしょう。
異変に気付くためには、普段から温度記録を注視し、傾向などを把握しておく必要があります。たとえば、特定の時間で温度の上昇が見られる場合は、その理由についても知っておかなければなりません。具体的には、調理場が忙しくなる時間帯は冷蔵庫の開け閉めが多くなるため、庫内温度が高くなるかもしれません。また、加熱調理があれば室内温度も上がるでしょう。それぞれの現場ごとに異なる特徴があるため、事情まで踏まえた判断が求められます。
なお、厨房・食品工場は機関等から温度管理に関するデータの提出を求められる場合があります。こうした対応については、マネージャーなどの管理職の役割です。スムーズに対応するために、日頃からデータの整理をしておきましょう。
【現場管理】チームリーダー等
現場を取り仕切るチームリーダーは、スタッフの管理という役割があります。一部マネージャーと重複する部分もありますが、基本的には実際に現場に出て、スタッフと直接コミュニケーションを取るような立場だと言えるでしょう。
温度管理においては、とくに現場スタッフの記録作業についてのチェックが求められます。正しい時間・頻度・方法で温度記録がなされているかを確認し、齟齬があれば指導も行います。
また、現場で異常が発生した場合には上長へ連絡を行い、対応に当たります。この際、適切な対応ができなければ食品事故などのリスクが高まるため責任は重大です。ちなみに、HACCPを導入している場合はトラブル発生時にどのような対応をすべきかが事前に決められています。報連相を行いつつも、そのルールに従って行動することもチームリーダーの役割です。
【温度記録実施】現場のスタッフ
現場で作業を行うスタッフが担うのは、主に温度記録の実施です。たとえば冷蔵庫の場合は、決められた時間に庫内の温度を確認し、記録表へと記入を行う、といった具合です。この際、誤った方法や抜け・漏れがあると大きな問題につながる可能性があります。万が一、何かトラブルが発生した場合には、チームリーダーやマネージャーへ報告を速やかに行いましょう。
なお、適切な温度管理を行うためには、現場スタッフが管理について自分事化して取り組むことが求められます。なぜ日々の温度記録が重要なのか?閾値の逸脱が起こった場合、どのようなリスクがあるのか?こうした情報については、全社的に把握しておくようにしてください。
HACCPチームの存在も重要
前項のとおり、厨房・食品工場における温度管理は各員に異なる役割があり、それぞれが責任を持って担当する必要があります。それとは別で、温度管理との関わりが深い立場としてHACCPチームが挙げられます。
現在、国内のすべての食品事業者は、HACCPの導入が求められます。そして、HACCPを構築する際に初期段階で結成されるのがHACCPチームです。
HACCPチームとは、厨房・食品工場でHACCPを推進する役割を持ったチームを指します。そして、その業務のなかには温度管理に関連したものも少なくありません。最終的に、自社がどのような温度管理をしていくかの計画についても立案する必要があります。こうして考えると、HACCPチームのメンバーは温度管理・記録の管理人である、と言って間違いないでしょう。
ちなみに、優れたHACCPチームを作るためには、さまざまな立場・役職の人物が参加することが望まれます。とくに、現場をよく知る人物については実情を踏まえた意見が出せるため重宝されます。チームリーダーや現場スタッフなど、数名でも構いませんので参加してもらえるよう心がけましょう。
管理人の負荷を軽減するためのシステム化
記事の前半で、厨房・食品工場における温度管理の管理は全社的に行うべきということを解説しました。しかし、各員にはそれぞれ別の業務がありますし、温度管理にだけリソースを割くことは現実的ではありません。
たとえば現場スタッフは、繁忙期になると目の回る忙しさでしょう。温度記録が重要であることは分かっていたとしても、優先順位がより高い業務があればチェックを後回しにしてしまうかもしれません。マネージャーやチームリーダーも同様に、別件の対応などに追われていれば温度管理業務が疎かになる可能性があります。
こうした課題を感じつつも、解決を先送りにしている事業者は少なくありません。そこでぜひご検討いただきたいのが、温度管理・記録の自動化です。
システムの導入で得られるメリットは数多くあります。たとえば自動温度記録。わざわざ人が目視で温度計を見る必要がなく、記入に関するミスも発生しません。さらに、人力でのチェックは1時間以上間隔が空くこともありますが、自動化ができればこのインターバルを数分にまで短縮できます。すると、連続的なデータが取得できるため、分析時の精度も向上するでしょう。
加えて大きなメリットはリアルタイムな監視です。連続的な記録が行われているため、何か問題が発生した際でもすぐに異常に気づけます。非常事態でなかったとしても、リアルタイムで厨房・食品工場内の温度状況を確認できるようになるため、管理人の業務負荷低下が期待できるでしょう。
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まとめ
温度管理は特定の管理人だけが行うのではなく、スタッフが一丸となって取り組むことが大切です。温度管理の重要性を共有し、必要な作業を確実にこなせるよう努めましょう。ただし、業務負荷が大きい場合には自動化や効率化も重要です。より手軽かつ正確なソリューションをお探しの方は、ぜひ当社のACALA MESHをご検討ください。