2022.11.03.Thu

食品を含む物流倉庫の温度管理について

食品を含む物流倉庫では、適切な温度管理が求められます。今回は、倉庫の温度管理の重要性や基礎知識、運用のポイントなどについて解説します。

倉庫の温度管理

食品倉庫にはさまざまな食材・商品が運び込まれます。ここで非常に重要になるのが温度管理です。

温度管理を怠ると、食材や商品には大きな損傷が生じます。変色やカビの発生、細菌の増殖などがあれば、顧客からの信頼を損なう結果となるでしょう。それ以上に、消費者へ届けた後で食品事故などが発生すれば大問題です。こうした状況を防ぐために、倉庫では24時間365日の体制で温度管理を行う必要があります。

なお、温度管理の方法は空調や温度計等の設置だけに留まりません。二重扉や換気扇・通気口の設置など、設備投資が肝にもなります。収納する食材・商品に合わせた保管温度を維持するためには、しっかりとした設計が重要なのです。

食品を扱う物流業者はHACCPの導入が必要

令和3年6月1日から、厚生労働省からの通達により、原則としてすべての食品等事業者はHACCPへの取り組みが義務化されました。この“すべて”のなかには、食品を扱う物流業者も含まれます。

HACCPではモニタリングが重要視されており、その項目のひとつが温度の記録です。リアルタイム性が重視されており、閾値の逸脱があった場合には、スピーディーな対応が求められます。また、記録を残すことでトラブルが発生した場合の原因究明にもつながります。

元々、倉庫の温度管理の重要度は高いものでしたが、HACCPの義務化によってそれがより強化されました。食品を扱う物流業者の場合には、正しい知識と対策が求められています。

【倉庫温度管理の基礎知識】3温度帯と4温度帯

次に、倉庫における温度管理の基礎知識として、温度帯の区分等を解説します。

倉庫を含む食品流通では、常温(ドライ)・冷蔵(チルド)・冷凍(フローズン)という3つの温度帯が存在します。それぞれの温度は以下のとおりです。

  • 常温(ドライ):10℃~15℃
  • 冷蔵(チルド):-5℃〜5℃
  • 冷凍(フローズン):-15℃以下

上記の区分方法を「3温度帯」と呼びます。たとえばチョコレート菓子や米などは常温での保管が一般的です。一方、常温だと微生物の増殖などが予想される乳製品や精肉、漬物については冷蔵が用いられます。また、鮮魚類は鮮度を保つために冷凍による保管が行われるケースが多い傾向にあります。

定温が加わる4温度帯

一般的な食品については、ほとんどの場合3温度帯のいずれかで保管が可能です。一方、ワインやチョコレートといった比較的デリケートな商品については、より一定の温度による保管が求められるケースがあります。こうした際に用いられるのが「4温度帯」です。

4温度帯では、常温・冷蔵・冷凍に加えて「定温」が用いられます。これは、一定の温度・湿度が保たれた温度帯のことです。たとえばワインの場合は、品質を保てる温度が決まっています。そのため、ワインセラーのように16℃前後をキープするような保管方法が採用されます。

このように、定温はその商品・食材によって設定温度が異なります。そのため、顧客が指定した温度設定に合わせて、倉庫の温度管理を行わなくてはなりません。

その他の区分

3温度帯と4温度帯の他に、倉庫業法で定められた温度帯が存在します。以下のように、より細かな区分がされているのが特徴です。

  • C3級:0℃〜10℃
  • C2級:0℃〜-10℃
  • C1級:-10℃~-20℃
  • 調理用冷凍食品:マイナス18℃
  • F1級:-20℃~-30℃
  • F2級:-30℃~-40℃
  • 超冷凍・F3級: -40℃~-50℃
  • F4級:-50℃以下

そのほかにも、3温度帯をより分ける方法もあります。代表例としては以下です。

  • 加温:20℃以上
  • 常温:10℃~20℃
  • 冷蔵・チルド:5℃~-5℃
  • 氷温:0℃~-3℃
  • パーシャル:-3℃

倉庫における温度管理のポイント

 

続いて、食品倉庫における温度管理のポイントについて見ていきましょう。こちらでは、主立った2点について解説します。

食材に合わせた保管条件を守れているか?

まず確認すべきは、食材に合った保管ができているかです。前述のとおり、食品にはそれぞれ最適な保管温度があり、その逸脱は衛生上大きな問題になるということを意識しましょう。その上で、現状を確認するために、定期的な倉庫での保管体制についてのチェックを行ってください。

万が一、冷蔵が必要な食品が常温で保管されているといった事態を見つけた場合は、早急な対応が必要です。まずは現在の食品の状態を調べ、関係各所へ連絡。いつからこの状態であったのか、すでに出荷されてしまった食品についてはどのような問題があるかなどを洗い出します。その後、なぜこうした間違いが発生してしまったか原因究明を行い、再発防止策についての検討も必要です。このように、一度のミスが大きなトラブルに発展するため、日頃より厳重な管理が求められます。

また、倉庫には保管だけでなく、搬入・出荷という作業があります。この際にも、温度帯を含めた正しい取り扱いが行われているかをチェックしてください。また、管理体制については全体で共有するようにし、一丸となって事故の防止に取り組みましょう。

温度の記録・管理の仕組みが整っているか?

温度管理を行う上で重要となるのが、連続性のある記録と管理です。

たとえば、2時間おきに倉庫の温度計をスタッフが確認しにいくといった人力の方法は、手軽にできるというメリットはあるものの、厳重な管理が求められるシーンにおいては管理不足と言わざるをえません。前回のチェックから数分後に温度が上がりはじめ、1時間以上適切な温度が保たれていなかったとなれば、保管状況としては失格になります。

重要なのは連続性のある記録です。自動化システムなどを活用していれば、数分単位で倉庫内の温度を把握できるため、問題にいち早く気づけます。また、どの時点で温度が閾値を外れてしまったのかを把握できれば、その際に行われた作業と照らし合わせて、業務の改善も行えるでしょう。

さらに、連続性のあるデータはトラブル発生時の重要なエビデンスになります。しっかり保管ができていたにもかかわらず、食品事故が起こってしまったというような場合には、自社の正当性を示す根拠にもなり得るでしょう。このように、温度の記録・管理をシステム化することにはさまざまなメリットがあります。

倉庫の自動温度管理システムにはACALA MESH

当社では、倉庫の自動温度管理・記録にご活用いただけるソリューション「ACALA MESH」をご用意しております。無線式の温湿度ロガーを設置することで、連続性のあるデータの記録・蓄積が可能。また、専用のプラットフォームを利用することで、パソコンやスマートフォンを使い、いつでもどこでも倉庫の状況を確認できます。

通信方式には、大規模な倉庫でも対応できるSmartMesh IPを使用しています。Wi-FiやBluetooth、その他の無線のように、距離が届かなかったり、混線を起こしたりすることなく、安定した通信が可能です。有線のように、倉庫レイアウトの変更等も不要。専門知識がなくても、キットが到着したその日からご利用いただけます。

まとめ

倉庫内における温度管理は食品だけでなく、さまざまな在庫にも適用可能です。システム化は業務負荷を上げずに利便性を高めるおすすめの方法です。かつ、トラブルの防止と発生時の対応強化にもつながるでしょう。倉庫内の温度管理・記録でお悩みの方は、ぜひ当社までご相談ください。