2020.12.17.Thu

製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を促進する補助金まとめ

すべての事業にとって、効率化は永遠の課題です。そこで注目したいのが、DX(デジタルトランスフォーメーション)。ITツールなどを導入することで自社の業務に変革を起こし、生産能力の向上だけでなく、独自性を高めて競争力までも身につけるのが目的の施策です。今回は、そんなDXの概要に加え、導入の際に役立つ補助金の情報をまとめます。

製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)には補助金の活動がおすすめ

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、広義かつ端的に言うならアナログからデジタルへ業務環境を移すことです。概念としては、「人の生活に影響を与えながら進化するテクノロジーで、結果的に人々の生活をより良いものにする」とされています。
ただし、ビジネスではもう少し意味が狭まります。2018年、日本経済産業省はDX推進ガイドラインでDXを以下のように定義しました。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。DX推進ガイドライン

「DXレポート」(経産省)が求めた2025年の未来

日本の企業にはさまざま問題があると考えられています。なかでも、デジタル関連で大きな遅れを取る企業も少なくありません。経産省が発表した「DXレポート:ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開」(略称:DXレポート)では、以下のような課題が上げられていました。

●市場への対応ができないことで、デジタル競争に負けてしまう

●システムの維持・管理費がIT予算の9割以上にもなり、技術的な負債が起こっている

●システムトラブルやデータの滅失リスクが高まっている

こうした問題を解決するためには、早急にDXを進める必要があります。しかし、中小企業にとっては、ITツールの導入ひとつを考えても、コストの面で不安が募るでしょう。そこで以下からは、DXを目指す上で役立つ補助金・助成金をいくつかご紹介します。

IT導入補助金

中小企業や小規模事業者が生産性を向上するためのITツールを導入する際に活用できる補助金です。DXを目指すのであれば、真っ先に検討したい制度と言えるでしょう。
適用対象者になるためにはいくつの要件がありますが、もっとも大きなポイントは事業規模。それぞれの業種・組織形態に合わせて、資本金と従業員数の上限が定められています。補助対象となる事業は、前述のとおり生産性向上に寄与するITツール全般です。ただし、IT導入支援事業者があらかじめ事務局に登録したツールに限られます。

分類 補助率 上限額・下限額
A 1/2以内 30万円~150万円未満
B 1/2以内 150万円~450万円
C ・C類型-1 2/3以内
・C類型-2 3/4以内
C類型-1 30万円~300万円未満
C類型-2 300万円~450万円

※C類型は新型コロナウイルスによる影響への対策のためにITツールを導入する企業向けのもの

>>より詳しい情報は「IT導入補助金2020」のページでご確認ください

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)

中小企業による、経営革新(新商品・サービス開発、生産プロセス開発)の実現や、生産性を向上するための革新的な取り組みを補助金で支援する制度です。対象経費のなかには「機械装置・システム構築費」「技術導入費」「専門家経費」「クラウドサービス利用費」などが含まれているため、DXには最適です。
主立った要件としてはIT導入補助金と同様、中小企業や小規模事業者であることです。なお、補助対象となる経費は一般型とグローバル型に分けられ、それぞれに補助率や上限額、補助対象経費が異なります。

分類 補助率 上限額・下限額
一般型 1/2以内 100万円〜1,000円
グローバル展開型 1/2以内
(※2/3)
100万円〜3,000万円
ビジネスモデル構築型 1/2以内 100万円〜1億円

※小規模事業者

>>より詳しい情報は「ものづくり補助金総合サイト」のページでご確認ください

キャリアアップ助成金

本来は非正規雇用労働者(有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者など)のキャリアアップを促進するために使われる助成金ですが、DXを実現する上でITに精通した人材を育成し雇用するのにも役立ちます。活用したいのは人財育成コースで、一般職業訓練(Off-JT)と有期実習型訓練(OJT)を組み合わせた3〜6カ月の訓練に対して、賃金助成と訓練経費助成が支給されます。

Off-JT 賃金助成 800円/1H
訓練経費助成 10〜50万円
※状況に応じて異なる
OJT 訓練経費助成 800円/1H


>>より詳しい情報は「キャリアアップ助成金 – 厚生労働省」のページでご確認ください

地方自治体による補助金

地方自治体の中には、新型コロナウイルス感染拡大を受けてDXを促進しようとする企業に対し補助金を支給する制度を立てているところもあります。
たとえば愛知県栄市では、「堺市中小企業デジタルトランスフォーメーション促進補助金」という制度があります。対象事業者は市内の製造業を営む中小企業(その他、諸条件あり)で、取り組みに対し3/4(限度額100万円)の補助が受けられます。
今後、地方自治体が独自の補助金・助成金制度を立てる可能性もありますので、小まめにチェックをしておきましょう。

まとめ

DXにはいくつもの壁があるものの、今の時点から着手すべき次項であることに間違いはありません。しかし、いきなり自社設備をすべてIT化しようというのも難しいでしょう。
当社がご提供するクラウド型の温度管理システム「ACALA MESH」は、自動温度管理・記録を実現するシステムです。初期費用0円、到着次第すぐに使えて、面倒な設定も不要。導入ハードルが非常に低く設定されていますが、取り入れることで業務改善・効率化につながります。DXの意義である「業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」につながるソリューションであると、自信を持っておすすめいたします。
ACALA MESHの導入には、今回ご紹介した補助金・助成金などを使えるケースもあります。2021年6月には、全ての食品事業者を対象にHACCPがいよいよ完全に義務化されます。是非この機会に導入をご検討下さい。