2019.06.12.Wed

海外のHACCP状況と輸入・輸出で考えるべきポイント

世界では、多くの国がHACCPの導入を積極的に進めています。なかには、90年代初頭からHACCPの義務付けに着手するところも。そこで今回は、現状の海外におけるHACCPの普及状況についてまとめました。合わせて、輸出・輸入の視点から考えたHACCP導入の必要性についてもお伝えします。

海外におけるHACCPの普及状況

  • 米国
  • 世界に先駆けてHACCPを考案した、言わば発祥地です。取り組み自体は1997年にはじまり、2002年までには一部の食品(水産食品・食肉・食鶏肉およびその加工品)に対して、州をまたいで取引する場合は、HACCPによる衛生管理義務が定められました。その後、2011年1岳には食品安全強化法(FSMA)が成立。これを受け、米国内で消費される食品の製造・加工・梱包・保管を行うすべての施設が、FDAの登録・更新及び、HACCPの概念を取り入れた措置の計画と実行を義務づけられました。
     

  • EU
  • 一次生産を除いたすべての食品の生産・加工・流通事業者に対して、HACCPの概念を取り入れた衛生管理が義務づけられ、2006年の段階で完全適用となっています。ただし、小規模の事業者や伝統的製法等でつくられる食品についてはHACCP要件に柔軟性が認められています。
     

  • カナダ
  • 水産食品・食肉・食肉製品において、1992年より順次HACCPの義務付けが開始されています。
     

  • オーストラリア
  • 輸出向け乳及び乳製品・水産食品・食肉・食肉製品について、1992年より順次、HACCPの義務付けが開始されています。
     

  • 韓国
  • 魚肉加工品(かまぼこ類)・冷凍水産食品・冷凍食品(ピザ類、まんじゅう類、麺類)・氷菓子類・非加熱飲料・レトルト食品・キムチ類(白菜キムチ)について、2012年より順次、HACCPの義務付けが開始されています
     

  • 米国
  • 水産食品・食肉製品・乳加工品について、2003年より順次、HACCPの義務づけが開始されています。
     

  • 米国
  • ロシア、メキシコ、ベトナムといった国でもHACCPの導入は検討されています。また、中国、インド、タイでは輸出食品に対してHACCPの義務づけが行われました。今後も、HACCPの波は世界中に広がっていくと予想されています。
     

食品輸出で考えるHACCP

HACCPの導入には設備投資や労力など、さまざまなコストがかかります。それを踏まえると、どうしてもHACCPに対してネガティブな印象を持つ事業者も少なくないでしょう。
 
しかし前項でもお伝えしたとおり、HACCP導入は海外に向けた新たな販路開拓につながる可能性があります。競合他社が未だ未導入であれば、いち早く取り組みを実施することで取引を有利に進められるでしょう。このように、HACCP義務化は状況によって、チャンスと捉えることもできるのです。

● HACCP義務化がチャンスに?

HACCPの導入には設備投資や労力など、さまざまなコストがかかります。それを踏まえると、どうしてもHACCPに対してネガティブな印象を持つ事業者も少なくないでしょう。
 
しかし前項でもお伝えしたとおり、HACCP導入は海外に向けた新たな販路開拓につながる可能性があります。競合他社が未だ未導入であれば、いち早く取り組みを実施することで取引を有利に進められるでしょう。このように、HACCP義務化は状況によって、チャンスと捉えることもできるのです。

食品輸入で考えるHACCP

現在の日本における食糧自給率は約4割です。これは、残り6割の食力を輸入に頼っている状況とも言えます。
 
輸入食品の安全性については、以前より強く叫ばれていました。残留農薬や添加物などの違反事例が報告され、実際に事件も発生しています。一方で、検査不足がとりざたされるケースも少なくありません。
これを解消するためには、輸出国に対して厳しい規制を求めることが大切です。ただし、衛生植物検疫措置の適用に関する協定(WTO/SPS協定)では、科学的根拠のないまま輸入品に大して自国の規制より厳しい規制を用いてはならない、という規定があります。
 
つまり、日本に輸出されてくる食品の安全性を確保するためには、はじめに自国でHACCPの体制を整えることが重要なのです。

HACCP導入の第一歩は自動温度管理・記録から

このように、HACCPの導入は輸出・輸入の点から考えても積極的に取り組むべき課題です。しかし、何から手を着ければよいかで迷われる企業様も少なくないでしょう。そのときにおすすめなのが、当社がご提供するクラウド型統合監視記録ソリューション「ACALA」です。
 
ACALAは自動温度管理・記録を実現するシステムです。導入・構築に手間やコストがかかるワイヤレスネットワークを初期費用0円にてご提供。月々の使用料のみで、すぐに無線化された各種ロガーとクラウドプラットフォームをご利用いただけます。
 
設置方法も非常にシンプル。知識を必要とする設定も不要なので、機器が届いたその日から使い始められます。HACCP導入の第一歩として最適なサービス環境をお約束しますので、ぜひご検討ください。

まとめ

海外で普及が進むHACCPは、日本人にとっても輸出・輸入の面で大きな関わりがあります。自社の製品の安全性向上はもちろん、新たな販路拡大や国際化に向けた動きへの対応という意味でも、HACCP導入を積極的に検討しましょう。
 
その際、当社がご提供するACALAは力強いソリューションのひとつになりえます。自動温度管理・記録システムをHACCP導入の起点にしようとお考えの方は、ぜひ当社までご相談ください。