2025.05.20.Tue

セントラルキッチンの労務課題とその解消法とは

セントラルキッチンは、複数の店舗や施設の調理を1カ所で行う集中調理施設であり、病院や介護施設、学校、飲食チェーン店などで導入が進んでいます。セントラルキッチンの労働環境を改善して従業員の労務を軽減するためには、業務の自動化が有効な手段といえるでしょう。本記事では、セントラルキッチンの労務課題を解消する「業務の自動化」について解説します。

セントラルキッチンの労務課題とは

セントラルキッチンが注目を集めているのは、調理作業の効率が高まる、原材料費や人件費を削減できるなどの数多くのメリットがあるためです。一方で、いくつかの課題も抱えています。そのなかでも、従業員の労務負担は解決すべき課題のひとつです。

セントラルキッチンは複数の店舗や施設の調理を一手に担う場所であるため、規模が大きくなりやすく、ランニングコストが高くなる傾向があります。したがって、一定以上の稼働率を維持できなければ十分な利益を得られません。しかし、稼働率を高くすれば、従業員1人あたりの労務負担が増大します。

 

一方、昨今は少子高齢化が進み、労働力の減少が社会課題となっています。セントラルキッチンが関わる外食業界や給食業界でも、人材不足は深刻です。このように労働力が不足している状況では、従業員にかかる負担もさらに増えてしまうでしょう。

加えて、セントラルキッチンはほかの調理現場よりも一層の注意が必要とされるため、従業員にストレスがかかりやすいことも懸念されます。1カ所で多種多様な食材やメニューを扱うことは、セントラルキッチンの特徴です。したがって、従業員は食材の取り間違いや調理ミスが起こらないよう注意しなければなりません。

セントラルキッチンには、異物混入や食中毒などの事故が発生した場合に被害が拡大しやすいデメリットもあります。食品事故を防ぐために厳しい衛生基準を遵守する必要がある点も、従業員の負担が増える要因となっています。

セントラルキッチンは「自動化」で労務を軽減できる

セントラルキッチンで働く従業員の労務課題は、「業務の自動化」で解決しましょう。業務の自動化とは、これまで手作業で行っていた仕事をロボットやシステムに置き換え、自動的に実行することを指します。

食品の調理現場では、食材をカットする、容器に料理を盛り付けるなど、単純作業の繰り返しにより料理を仕上げていきます。同じ姿勢で同じ作業を続けることは、従業員にとって負担となるでしょう。加熱調理で高温にさらされたり、冬場に水に触れたりと、労働環境が厳しいことも従業員の負担となります。

 

しかし、ロボットやシステムを導入して負担が大きい業務を自動化すれば、従業員の労務が軽減されます。さらに、人の手が必要な業務が減ると、少ない人員でも作業を進められるようになるため、労働力不足の問題も解消できるでしょう。

業務を自動化すると、労務削減や人手不足の解消以外のメリットも得られます。正確で迅速に作業できるロボットを導入することで、生産性の向上や品質の均一化が期待できるのです。

また、温度管理システムの活用により、HACCP対応も効率化が可能です。食材や調味料の計量間違いなどの人為的ミスも削減されるでしょう。

セントラルキッチンで自動化できる業務

 

ここでは、セントラルキッチンで自動化できる業務を紹介します。一度にすべて自動化することは難しいため、可能な業務から自動化を始めてみましょう。

仕込み・調理

食材の仕込みや調理は、セントラルキッチンにおける中心的な業務です。そのため、これらの業務を自動化できれば、労務負担の大幅な軽減が期待できます。

仕込みや調理を自動化できるロボットは、自動皮むき機や自動カッター、大量の食材を加熱調理できる回転釜、液体や食品を容器に詰める充填機、盛り付けロボットなど多岐に渡ります。これらのロボットの活用により、少人数でも大量の料理を作ることが可能になり、長時間労働の改善にもつながるでしょう。

また、仕込みや調理を人が行う場合、料理の仕上がりにばらつきが出る場合がありますが、調理ロボットであれば常に同じ品質の料理を提供できます。さらに調理ミスによる食品の廃棄も防げるため、コスト削減にも寄与します。

温度管理

食品製造現場で義務化されているHACCP対応において、温度管理は重要な項目のひとつです。しかし、決められた時間に作業の手を止めて温度を測定し、その記録をファイリングして管理することは従業員にとって大きな負担となります。

温度を自動的に記録できるシステムを導入すれば、従業員の手間が削減されるうえに、記録の抜け漏れが起こる心配もありません。従業員は本来の業務に集中できるため、生産性が高まることも期待できます。

また、温度管理システムを導入すると、冷蔵庫や冷凍庫の温度を24時間体制でモニタリングすることが可能になります。異常な数値を検知するとアラートが通知される機能が備わっていれば、トラブルにもすばやく対応できるでしょう。

受発注

調理に必要な食材や調味料、資材などは、取引先に発注して取り寄せなければなりません。セントラルキッチンは多品目の食材を扱うことから、発注内容が複雑になりやすく、人の手で管理していると発注ミスが起こる可能性が高くなります。

また、料理の配送先である店舗や施設からの発注を受け付け、その内容をもとに現場へ指示を出す業務もあります。多数の配送先から寄せられる発注内容を手作業で取りまとめるのは、相当の手間がかかるでしょう。

受発注システムを導入するとこれらの手間が減り、従業員の労務が軽減されます。さらに人為的ミスも防げて、業務効率の向上にもつながります。

出荷作業

セントラルキッチンで調理された料理は、各店舗や施設へ配送されます。配送先に合わせて適切に納品することも重要な作業です。万が一、誤ったものを納品すると、食物アレルギーや誤嚥をまねいて命に関わるおそれもあります。

出荷作業は、管理システムや仕分けロボット、荷積ロボットなどの導入により自動化が可能です。重い荷物を運ぶ必要がなくなり、従業員の体力的な負担が軽減されます。納品ミスが起こるリスクが低減されることもメリットのひとつです。

まとめ

セントラルキッチンにおける業務の自動化を進めると、人手不足や長時間労働、過酷な労働環境が解消されて、従業員の労務軽減を実現できます。さらに、業務の効率化や生産性の向上、食品事故リスクの低減、HACCP対応などを進めるうえでも、業務の自動化は必須です。

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ロボットの導入はコストがかかり、専門知識を持つ人材を確保する必要もあります。しかし、「ACALA」であれば手間をかけずに導入できるため、業務の自動化の第一歩に最適です。「ACALA」を導入して、セントラルキッチンの自動化を進めましょう。